古川奈穂 進学校から競馬学校入学、留年乗り越えいざ「今は楽しみの方が大きい」

[ 2021年3月5日 05:30 ]

古川奈穗(左)と永島まなみ
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 ピンクのハート柄がデザインされた「ラヴズオンリーユー」ジャンパーが目を引く。そして似合う。古川奈穂(20=矢作)が目を輝かせて意気込みを語った。「今は楽しみな気持ちの方が大きい。初めてのレースで緊張するとは思いますが、楽しんで乗れるように頑張りたい」

 競馬に興味を持ったのがゴールドシップが勝った12年有馬記念。テレビで見た年末の大一番に感動した。「元々、馬は好きで興味はあったが、そこから競馬につながったのは、あのレースがきっかけ」。医師の父を持ち、中高一貫の進学校・広尾学園に通っていた。高校に入学したが藤田菜七子の活躍が強烈に背中を押した。

 「ファンとして競馬を見ているうちに騎手への憧れが強まった。競馬が好きで、それが一番やりたいことだった。運動もやっていたし体格的にも騎手を目指せると思った。両親には反対されず応援してくれた」

 競馬学校に入学するも苦労の日々。何しろ乗馬はほぼ未経験なのだ。「同期よりも乗馬経験が少なく、差を感じた」。在籍中に左肩を負傷。留年する苦しみも味わった。それでも諦めなかった。「高校のクラスメートからビデオメッセージをもらった。親族からも“好きなことをやれる人は限られている。思い切ってやりなさい”と。その気持ちを大切にして頑張ろうと思った」

 トップステーブルの矢作厩舎に所属。実習期間にはリスグラシューの豪G1制覇、コントレイルの3冠達成を目の前で見届けた。そして菜七子以来、5年ぶりとなる女性騎手デビューを果たす。「今の女性騎手の道を開いてくださった。尊敬しています。追いつき、追い越せるように頑張っていきたい。女性騎手としてより、一人の騎手として注目されるようになりたい」

 デビュー週は阪神で土日合計9鞍に騎乗する。土曜の1R、自厩舎のラントとのコンビで実戦初騎乗。調教で感触を確かめた。「馬がしっかりしてきた。ダートで変わり身に期待したい」。菜七子のJRA初勝利はデビューから約1カ月後の4月10日。まずは偉大な先輩を上回る早さでの勝利を目指す。

 ◆古川 奈穂(ふるかわ・なほ)2000年(平14)9月13日生まれ、東京都出身の20歳。栗東・矢作芳人厩舎所属。中学時代は陸上競技に励む。広尾学園高中退後、競馬学校入り。趣味は歴史(特に幕末)、謎解き、数独、音楽鑑賞。好きなアーティストは福山雅治。モットーは「精神一到」。目標騎手は武豊。スポーツビズとマネジメント契約し、オフィシャルSNS(インスタグラム、フェイスブック)を開設。1メートル54・6、44・8キロ。血液型A。

 ▼海外でも女性活躍 フランスのミカエル・ミシェル(25)は日本でもおなじみ。昨年、南関東競馬の短期免許を取得し、旋風を巻き起こした。今年はコロナ禍で来日が事実上不可能となっており、母国で奮闘中。英国ではホリー・ドイル(24)が大活躍中。昨年は151勝で女性最多勝記録を樹立。10月にはG1(英チャンピオンズスプリントS)を制した。日本馬ディアドラのラストラン(8着)にもまたがった。

 《史上初4キロ減》古川奈、永島はともに4キロ減からのスタートとなる。19年3月から女性騎手の減量制度が改定され、50勝以下は一般競走で4キロ減となった。藤田は、この制度スタート時、すでに50勝を超えていたため、4キロ減は2人が初めてとなる。

 ▼西園正都師(藤田起用で3勝)うちのローザノワールが3キロ減の菜七子騎手で最後まで我慢して勝った(19年3月)ことがある。牝馬や、背中の敏感な馬にとって重量差は大きなプラス。特に短距離戦は小細工しなくていいし技量差がつきにくい。

 ▼橋口慎介師(日曜小倉7Rロナの鞍上に★4キロ減の永島を起用)減量は短距離戦で前に行く馬にとっては有利になる。ロナは藤田騎手(◇2キロ減)に2回騎乗してもらったこともある。永島騎手には調教に2週連続で乗ってもらい凄くいい動き。前に行く競馬をしてもらえれば。

 ▼小島茂之師(藤田起用で過去7勝=2位)軽いに越したことはなく4キロは大きなアドバンテージだと思う。あとは、騎乗馬にうまくはまるかだけ。しばらくは所属厩舎が全面バックアップすると思うので、先々で落ち着いた頃に騎乗依頼してみたい気持ちはある。

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