【高松宮記念】アレグリア“二度咲き”100点!キ甲抜けて首、肩、トモの筋肉量増加

[ 2020年3月24日 05:30 ]

鈴木康弘「達眼」馬体診断

<高松宮記念>体つきには成長が如実に表れている、昨年の桜花賞馬・グランアレグリア(撮影・郡司 修)
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 戦後初の無観客G1として開催される見通しの短距離決戦。その頂点にそびえるのは二度咲きの桜か。それとも、黄金色に輝く二刀流の桜か。鈴木康弘元調教師(75)がG1有力候補の馬体を診断する「達眼」。第50回高松宮記念(29日、中京)では昨年の桜花賞馬グランアレグリアと芝&ダートG1制覇のモズアスコットに満点を付けた。有力候補のボディーを今、各地で続々と開花している桜の品種になぞらえながら解説する。 高松宮記念

 新型コロナウイルス感染拡大で世界の競馬場から蹄音が消えつつあります。今春、欧米で予定されていた主要レースの多くが中止、あるいは延期に追い込まれました。ドバイ国際競走も中止。無観客開催を続ける国内競馬の先行きも見えません。沈黙の春。そんな中でも、花暦だけは例年より早く春を迎えました。暖冬のために彼岸明け(23日)を待たずに全国各地で相次ぐ桜の開花宣言。年2回、12月下旬と4月半ばに開花する水戸・偕楽園の名木「二季咲桜」も4月の声を待たずにつぼみを膨らませているそうです。桜花賞馬グランアレグリアのように…。

 水戸の二季咲桜は冬にぽつりぽつりと薄桃色の花を咲かせ、春に大満開になります。美浦の桜花賞馬も冬の阪神Cでぽつりと開花し、今春いよいよ咲き誇ろうとしています。体つきには成長が如実に表れている。昨年は未発達だったキ甲(首と背中の間の突起)が抜けてきた。歩調を合わせるように首、肩、トモの筋肉量が増えました。牝馬らしからぬパワーあふれる体つきです。

 特にトモは二季咲桜のつぼみを支える萼(がく)のように膨らんできた。絶妙な角度の飛節がトモのパワーを逃さず推進力に変えています。トモと飛節のつながりに限らず、全ての部位がバランス良くリンクされている。5枚の中輪の花弁が調和しながら一重咲きするこの桜のように、470キロ前後の中型馬はうっとりするほど美しい。冬毛も奇麗に抜けて、光沢を放っています。

 偕楽園のあずまや「好文亭」の脇にたたずむ二季咲桜さながら、立ち馬にも凜(りん)としたたたずまいを感じさせます。ハミを付けなくても、尾を風になびかせながら、ゆったりと立ってます。美女顔もりりしい。体形はマイラーでも、気性がスプリンター。レースでは前に馬群の壁が必要になるほど前進気勢が強い。1200メートルは初めてですが、むしろ競馬しやすいでしょう。馬は撫で柄。馬の良しあしは育て方次第との意味ですが、桜も撫で柄です。つぼみの時期に温めすぎないことが桜の二季咲きの条件なら、攻めすぎないことが桜花賞馬の2度咲きの条件です。

 新型コロナウイルス感染は茨城県内でもついに確認されました。春になっても終息の見通しは立ちませんが、同県北部の水戸と南部の美浦が誇る桜は春を謳歌(おうか)しようとしています。(NHK解説者)

 ◆鈴木 康弘(すずき・やすひろ)1944年(昭19)4月19日生まれ、東京都出身の75歳。早大卒。69年、父・鈴木勝太郎厩舎で調教助手。70~72年、英国に厩舎留学。76年に調教師免許取得、東京競馬場で開業。94~04年に日本調教師会会長を務めた。JRA通算795勝、重賞はダイナフェアリー、ユキノサンライズ、ペインテドブラックなど27勝。19年春、厩舎関係者5人目となる旭日章を受章。

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