【川崎】ミシェル“狂騒曲”デビュー戦ファン沸かせた!大声援に投げキス「皆さま、大好きです」

[ 2020年1月28日 05:30 ]

川崎競馬場で大勢のファンに囲まれるミシェル(撮影・西川祐介)
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 ミシェルの魅力に誰もがメロメロになった。地方競馬の短期免許(27日~3月31日)を取得したフランス人女性騎手のミカエル・ミシェル(24=川崎・山崎裕)が27日、初騎乗の川崎競馬場で5鞍に騎乗。2着1回、3着2回と実力の高さをアピールした。夢である日本での通年騎手免許取得への第一歩。初日白星こそならなかったが“美しすぎる騎手”は心地よい歓声を浴び、上々のスタートを切った。

 パドック前にカメラを手にしたファンが鈴なりになった。お目当てはもちろんミシェル。馬上で愛らしい笑みをこぼすと一斉にシャッター音が鳴る。観衆3416人。昨年の3174人から微増だが、底冷えする天気を思えば上々の入り。ミシェル見たさでスタンドは熱気にあふれた。

 初めての川崎競馬場。パドック内から見た光景は彼女が待ち望んだものだった。「たくさんの方に来ていただいてありがたい。みなさん本当に温かい」。ファンへの感謝が何度も口を突いた。

 騎乗した5鞍中、最も勝利に接近したのが3番人気ピースフルジョイに騎乗した8R。ここが約2年ぶりの休み明け。実戦勘の鈍った相棒を果敢にハナへと導いた。直線半ばまでリードを保つ。両腕を力強く押し出し、馬を鼓舞した。1番人気エメラルドスピアーに1馬身差されて2着に終わったが力強さを感じさせるライディングに歓声が起こった。「勝ちたい気持ちはあったけど楽しみは後に取っておいた方がいいでしょ」。チャーミングに笑った。

 日本が7カ国目。母国フランスでも国内各地の競馬場で経験を積んだ。目を引いたのは柔軟な対応力。水を含み、極端な前残りとなった馬場を読み切った。川崎初騎乗の5Rこそ、後方のままブービー11着に終わったが、その後は徹底先行策。6Rアニマートを好位から3着に粘らせ、8Rは逃げて2着。10R(3着)、11R(6着)も強引に好位へと取り付いた。「川崎は思ったより走りやすくて大変気に入りました。気持ち良かった」。5鞍で3回の馬券圏内は欧州で磨いた技術と勝負勘の裏付けだ。

 「たくさんの応援を頂けるのは私にとって本当に大きいこと。早くファンの皆さまに会いたいとワクワクしていた」。フランスの競馬場で騎手に声援が飛ぶことはまれだ。日本は違う。「ミシェル~」「可愛い~」の声が飛ぶ。幸せな気持ちで乗っていると5鞍があっという間に終了した。ファンへのサインに「ミカエル」と書き込む。早く日本になじみたくてすでに納豆にもチャレンジした。「日本の皆さま、大好きです!!」。カメラに向かって投げキス。ミシェルの忘れられない冒険の初日が終わった。

 ◆ミカエル・ミシェル 1995年7月15日生まれ、フランスの南部イエール出身の24歳。10歳で近所の乗馬クラブに通い始め、マルセイユの競馬学校へ。14年騎手免許取得。同年3月にデビューし、9月に初勝利。18年に頭角を現し、女性騎手減量制度を追い風に仏リーディング12位に。19年8月に初来日。ワールドオールスタージョッキーズ第3戦(8月25日、札幌)をスワーヴアラミスで勝ち、日本初勝利。同大会3位に。

 ▼17年ぶり 女性外国籍騎手への地方競馬の短期免許交付は03年8月に来日したバーナデット・クーパー(当時29)以来2人目。11戦0勝、2着2回、3着1回。3カ月間の免許だったが体調不良を理由に1カ月で帰国した。

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