【有馬記念】大塚オーナー ワールド&クロコで妄想ワクワク!“夢の完結”ここからがお楽しみ

[ 2019年12月17日 05:30 ]

ワールドプレミアとクロコスミアで有馬記念に挑む大塚亮一オーナー(撮影・奥 調)
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 菊花賞馬ワールドプレミア、個性派先行馬クロコスミアと所有馬2頭が有馬記念に出走する馬主の大塚亮一氏(45)。自身が騎手になる夢は破れたが、馬主となって「武豊でG1を勝つ」という大きな夢をかなえた大塚氏に、令和初の有馬記念に臨んでの思い、意気込みを聞いた。  有馬記念

 ――菊花賞制覇から2カ月がたちました。心境の変化はありますか。
 「達成感がありますね。できれば武豊騎手で、できればクラシックを勝ちたいという馬主としての夢が全てがかないました。初めてG1として意識して見たのが、メジロマックイーンが勝った90年の菊花賞。ダービーは競馬に携わる皆さんが目指しているので目指していますが、それは馬主になってからのこと。実は一番勝ちたかったクラシックが菊花賞だったんです」

 ――08年にJRAの馬主免許を取得。12年目での悲願達成でした。
 「僕の夢はジョッキーだったけど、それは試験で落ちてダメだった。夢の続きが馬主だったんですが、それが完結しました。頑張って馬主になって、頑張って馬を買って、リスクを背負ってでも結果を出さないと…と思ってきました。それが今はないんです。楽になりました。これからいよいよ楽しめます。ただ、この先に何があるのか。まだ、ぼんやりとしていますね」

 ――有馬記念はどういうレース?
 「騎手になりたいと夢見るきっかけとなったレースが90年の有馬記念でした。ウインズ難波で見ていたんですが、ラストランを制したオグリキャップよりも、感動のフィナーレへと導いた武豊騎手に心を撃ち抜かれて、それ以来の豊ファンです。僕が尊敬するのは原辰徳さんと武豊さん。大阪なのに学年で1人だけ巨人ファンでした。どう見ても掛布よりカッコいいのに…と思ってましたよ。原さんが巨人の監督になってから、何度も甲子園のレフトスタンドで応援しました。僕には2つ夢があって、一つは原さんと一緒に写真を撮ること。もう一つは武豊さんでG1を勝つことだったんですが、今年2つともかなったんです。仮にあした死んでも“人生をやり切った!”と言えますよ」

 ――今年の有馬記念は超豪華メンバーになりました。
 「ここ何年かは有力馬の使い分けがあったけど、今年はオマエも出るのか、オマエも出るのか、という感じ。とどめにアーモンドアイが来て、正直に言うと出てほしくなかったけど、不思議なことに落胆はなかったですね。今は“ここを勝ったら年度代表馬かも”と前向きに考えています」

 ――クロコスミアはここがラストラン。
 「最後の1年、本当によく走ってくれて“偉い!”って感じです。G1初出走も重賞初制覇もかなえてくれて、本当に楽しませてもらいました。さすがにこのメンバーで勝てるとは言いません。ただ、1週前追い切りを見て“メチャクチャいい”と思ったし、去年のエリザベス女王杯で接戦したリスグラシューが人気になるなら“そんなに差がないんじゃないの!?”という気持ちは持っています」

 ――打倒G1馬ですね。
 「僕の勝負服はジャマイカカラーなんですが、これはボルトに感銘を受けたからなんですよ。僕が馬主になったのは、ボルトが荒々しく出てきた頃。小国が大国に対して立ち向かっていくというボルトへのリスペクトがあります。そういう意味で、浦河の家族経営の牧場で生まれたクロコは僕の馬主としての原点に密接に関わっています」

 ――ところで抽選会が残念なことに…。
 「そう、豊さんが名古屋グランプリに騎乗されるので欠席なんです。友道さんから聞いて“えーーー!”と思いました。友道さんとも“あの人に全てを託そう”と話していたのに…。仕方ないので2頭とも僕が引きます。スポニチの記事(12日付)で、豊さんが遠隔指示を示唆されてましたが、本当にテレビ電話とかできないかな!?凄く盛り上がりますよね。理想はワールドとクロコで白と白の染め分け帽をゲットできたら最高です」

 ――最後に意気込みを。
 「馬主って、レース前はいろんな妄想をするものなんです。ワールドが勝ってクロコが2着なら、佑介ジョッキー(藤岡佑)に“豊さんと一緒にウイニングランをやって”と言おうかな。でも、1、2着が逆なら豊さんには言いづらいな、とか…。とにかくワクワクしています」

 ≪天国の「アドマイヤ」近藤オーナーへ届く走りを≫大塚オーナーは、11月17日に亡くなった「アドマイヤ」の近藤利一オーナーとも懇意だった。「馬主になってから初めて行った(08年の)セレクトセールで『何か困ったことがあったら相談しろよ』と声をかけていただいたんです。競馬場では自分の馬のレースが終わっているのに、僕の馬が走る最終レースまで残って、一緒に応援してくれたこともありました。本当に心強かったですね」。近藤オーナーを介して、元野球選手の佐々木主浩オーナーとも知り合った。「佐々木さんのシュヴァルグラン、それと僕の2頭がいい結果を出せば“オマエら、頑張ってるな”と言ってくれるかもしれません」と、天国に届く走りを期待した。

 ◆大塚 亮一(おおつか・りょういち)1974年(昭49)10月23日生まれ。大阪府出身の45歳。大塚総合税理士法人代表に加え、大塚総合経営グループ代表も務める。京都馬主協会常務理事、日本馬主協会連合会常任監事。今年のセレクトセールでは、2億2000万円(税抜き)で落札した「ライフフォーセールの2019」(牡、父ハービンジャー)を含め、3頭の良血馬を競り落とした。趣味は乗馬。

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