【日本ダービー】ディアマンテ兄の分まで駆ける

[ 2019年5月24日 05:30 ]

カメラに顔を近づけるタガノディアマンテ
Photo By 提供写真

 【G1ドキュメント・栗東=24日】オルフェーヴル産駒とは思えないほど、愛嬌(あいきょう)たっぷりのタガノディアマンテ。田村が厩舎に出向くと、担当者の佐藤助手と一緒に日なたぼっこ中だった。まだ早朝は肌寒い栗東トレセンだが、午前9時を過ぎると気温は20度を超えポカポカ陽気。「温かいね」「気持ちいいね」と、佐藤助手が愛馬に話しかける。よっぽど気持ちいいのだろう。目をつむってウトウト。その可愛い姿に、気が付けば周りはカメラマンに囲まれていた。「いっぱい写真を撮ってもらい」とサービス精神たっぷり。

 「入厩した当初は一頭で運動ができなかったぐらいだったけど、だいぶ精神面が大人になってきた。まだ顔は幼いけどね」
 兄タガノトネールも担当していた佐藤助手。トネールは16年武蔵野Sでレコード勝ちを収め、続くチャンピオンズCは有力馬の一頭として注目を浴びていたが、調教中に右第3中手骨開放骨折を発症。予後不良と判断され、そのまま安楽死となった。

 「お兄ちゃんは凄く気が荒くて、大変だったね。デビュー前に去勢したぐらいだったから。その点、こっちはおとなしい。きさらぎ賞からずっと在厩で使っているけど、カイ食いも落ちないし、丈夫な体やね」

 兄の分も!弟のディアマンテに懸ける思いは相当強いはず。騎手、調教師だけでなく、トレセンで働いている一人一人にストーリーがある。18頭しか立つことができない大舞台。佐藤助手とタガノディアマンテの物語に新たな一ページが刻まれることだろう。

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2019年5月24日のニュース