【日本ダービー】(9)デイジーCasual スーツ→3連勝ベスト

[ 2019年5月24日 05:30 ]

元厩務員 田井秀一記者が迫る ホースマンシップ(5)

“ラッキーカラー”の黄色でおそろいのニシノデイジーと高森厩務員
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 最終追い切りが終わり、トレセン内の緊張感も高まってきた。出走馬の担当厩務員たちも26日の決戦へ“準備”を進めている。「当日に向けて、少し考えていることがあるんですよ」と話すのは重賞2勝のニシノデイジーを担当する高森裕貴厩務員。デビューから同馬を手掛ける仕事人は恥ずかしげな笑みを浮かべながら、とある験担ぎを明かしてくれた。

 「実は3連勝していた時は全部、高木厩舎スタッフ用のベストを着用してパドックで馬をひいていたんです。それが、ここ3戦は人間の方が色気を出してしまって、スーツで行ってしまった。緊張が馬に伝わったかも」。デイジーは2歳時に重賞2勝を含む3連勝。しかし、G1初挑戦のホープフルSで3着に敗れると、今年に入ってからも弥生賞4着、皐月賞17着。3連敗を喫している。「ダービーだからと1って、服装は必ずこれで、と決まっているわけではない。正装の上から厩舎ベストを着ていこうかな…と。人間が担げるものは担いでいきます」と笑う。確かにヴェロックスなどを破った東スポ杯2歳Sの口取り写真では、高森厩務員は愛馬の隣で厩舎カラーである黄色のベストに身を包んで会心の笑顔を見せている。

 「もう年を取って体が動かなくなっているので、これまでの経験を生かして馬と向き合っています」。すでに人生の半分を厩務員として過ごしているベテラン。ついに、担当馬が初めてダービーの舞台に駒を進めた。「全てのホースマンにとって特別なレース。でも、やることは何も変わらない。とにかくアクシデントがないように馬をレースに送り出すことが僕たち厩務員の仕事」と気負いはない。ダービー発走30分前、東京競馬場のパドックで黄色のベストを着た“普段着”の高森厩務員がデイジーの隣にいれば…。それは激走のサインかもしれない。=終わり=

 ◆高森 裕貴(たかもり・ひろたか)1973年(昭48)3月13日生まれ、東京都出身の46歳。23歳でトレセン入り。池上昌弘厩舎などを経て高木厩舎へ。馬を扱う時のモットーは「アクシデントを未然に防げるように気を配ること」。思い出の担当馬は中央で6勝を挙げたドリームバスケット。酒に造詣が深い。

 ◆田井 秀一(たい・しゅういち)1993年(平5)1月2日生まれ、大阪府出身の26歳。阪大法学部卒。野球漬けだった高校卒業後に、道営・斉藤正弘厩舎に所属。厩務員として、引退後の98年菊花賞3着馬エモシオンに乗馬したのが自慢。大学時代はラジオNIKKEI第2の「中央競馬実況中継」でアルバイト。スポニチ入社後2年間はスポニチアネックス記者として芸能を中心に取材し、今年4月から中央競馬担当。

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