【金鯱賞】プレミアム復活V!G1馬4頭完封に川田絶賛

[ 2019年3月11日 05:30 ]

金鯱賞を制した1着のダノンプレミアム(右)、2着のリスグラシュー(左)(撮影・後藤 大輝)
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 未完の大器が完全復活だ。春の中京開幕を飾る「第55回金鯱賞」は17年最優秀2歳牡馬ダノンプレミアムが快勝。1番人気で6着に敗れた昨年のダービー以来となる実戦を制し、さらなる飛躍を約束した。阪神で行われた桜花賞トライアル「第53回フィリーズレビュー」はノーワンとプールヴィルが同着V。ノーワン騎乗の坂井瑠星(21)はデビュー4年目でJRA重賞初制覇。3着ジュランビルまでが桜花賞(4月7日、阪神)の優先出走権を獲得した。 レース結果

 完全に見下ろしていた。4角3番手、絶好の手応えで勝負どころを迎えたダノンプレミアム。右ムチ2発。雄大な青鹿毛馬が悠々と先頭に立った。リスグラシューが追いかける。ついてこられるかなとばかりにスピードを上げた。残り30メートル、尻尾を振って馬が自ら勝ちどきを上げた。完勝だ。

 「ホッとした。直線、手応え通りに伸びてくれた。改めてポテンシャルの高さを感じた。凄く成長した感じではないが、やはり素晴らしい馬」。川田が振り返った。17年最優秀2歳牡馬。朝日杯FSを含むデビュー4連勝。ワグネリアンもステルヴィオも破り、世代最強馬と目された。だが、挫石で皐月賞を回避すると、ダービーではインで動けず6着。昨年秋は天皇賞を目指すも態勢が整わず回避。ここがダービー以来、9カ月半ぶりの実戦。2番人気だったが並み居るG1馬も4連勝中のエアウィンザーも寄せ付けなかった。

 パドックでは膨らんだトモ(後肢)を見せつけた。ダービーの時と同じ1番枠から、しっかりと折り合った。「スタッフ全員で挙げた勝利。元々、ゲートは得意な方だが今回も抜群のスタートを切ってくれた。行く馬を行かせて自分のリズムであの位置に収まった」。天性のレースセンスは全くサビついていなかった。独特の大きな完歩も4連勝当時のまま。約1年ぶりの美酒は、秘めた能力がいかに桁外れかを満天下に示す1勝となった。

 中内田師は開口一番「ホッとしました」。正直な気持ちだろう。「これだけの馬なのでしっかりと仕上げた。その通りに走ってくれて頭の下がる思い。競馬の内容は言うことなかった」。ダノンファンタジーで3歳牝馬戦線をリードする気鋭のトレーナーは勝負勘が凄い。引くところは引く。攻めるところは攻める。今回は攻め切った。馬を信じた。「次走は1週間ほど様子を見て、大きなところを目指す」。具体的なレースは明言しなかったが大阪杯(31日、阪神)が視野に入る。ターフを席巻する“ダノン軍団”は今年重賞5勝目。その大将格がついに万全のコンディションでG1戦線を迎える。

 ◆ダノンプレミアム 父ディープインパクト 母インディアナギャル(母の父インティカブ) 牡4歳 栗東・中内田厩舎所属 馬主・ダノックス 生産者・北海道新ひだか町ケイアイファーム 戦績6戦5勝 総獲得賞金2億2943万7000円。

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