菜七子 ばんえい“弾丸娘”がエール「選ばれたんだから男女関係ない」

[ 2019年2月11日 05:30 ]

菜七子G1初騎乗記念連載(1)

ばんえい競馬唯一の女性騎手・竹ケ原茉耶
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 夢のG1舞台に立つ藤田菜七子。現在、全国には菜七子を含め6人の女性騎手がいる。菜七子のG1初騎乗には彼女たちも熱視線を送っている。本紙では連載「WE ARE WOMEN」をスタート。男性としのぎを削る女性騎手の素顔に迫るとともに、菜七子とのエピソードやエールなども紹介する。第1回はばんえい競馬で現役唯一の女性騎手として活躍する竹ケ原茉耶(37)。

 体重が1トン近い巨大なばん馬がソリを引く“世界で唯一の競馬”ばんえい競馬で、唯一の現役女性騎手。それが竹ケ原茉耶だが、本人はあっけらかんと笑う。

 「女性ならではの苦労ってよく聞かれるけど、ないんだよね。騎手になりたかったけど“女性騎手”になりたいと思ったわけじゃないから。騎手としての苦労や喜びはあっても、それは男性と変わらない」

 昨年8月に行われたばんえい競馬JRAジョッキーDAYに初参加した藤田菜七子とも、懇親会で同じ話をした。「“女性騎手”になりたかったわけじゃないのにねって。私は“ワハハ”って笑うタイプだけど菜七子ちゃんは“ウフフ”って感じで可愛いよね」

 父が馬主だったことがきっかけで騎手になりたいと思った。小学生から始めた柔道は、高校(光星学院=現八戸学院光星)時代に全国大会に出るほどの実力だったが「高校で柔道を続けたのは騎手になるための筋力をつけるため。強豪校で練習が厳しく、精神的に鍛えられたのも良かった」と目標はあくまで騎手だった。

 体格のいいばんえいの騎手の中で1メートル50の竹ケ原はひときわ小さいが、体格差は言い訳にならない。調教や厩舎作業では、何十キロもの飼料やソリに乗せる重りを運べなければならない。「できなければ女の子だからもういいよとなって騎乗もなくなる。トレーニングはもちろんした」。女性ならではの苦労といえるかもしれないが、すぐに否定する。「レースで私は10キロの女性減量特典がある。それは男性から見ればうらやましいと思うでしょう。それに、騎手に必要なのは力よりコツ。力が弱い方がいい馬もいるし、手綱の操り方やハミなど馬具を工夫するのも大事。結局、乗れる乗れないは自分の技術が足りないだけ。男とか女とか考えていたらここにはいられない」

 昨年はばんえい最高峰重賞のカテゴリーであるBG1「帯広記念」にも騎乗した(7着)。「初めての重賞騎乗時(07年)は、いつもより重いおもりでゲートに入るときの音が違ってビビったけど(笑い)、今は重賞でも緊張しない。菜七子ちゃんも16人しか乗れない中の一人に選ばれたんだから男女は関係ない。騒がれているのは気にせずに乗ってほしい」と、昔の自分を振り返ってエールを送った。

 竹ケ原の愛称は「ニコニコ笑う弾丸娘」。豪快に笑い、元気いっぱい。10年に佐藤希世子さんが引退し、女性騎手が1人の期間も長くなった。自身のキャリアも15年目。「後に続く人が出てほしいとも思うけど、私はその馬の一番いいレースをしたいと思うだけ。男も女もばんえいも平地もそれは同じでしょう」。自分だけが描ける弾道を、これからも突き進む。(秋田 麻由子)

 ◆竹ケ原 茉耶(たけがはら・まや)1982年(昭57)1月19日生まれ、青森県百石町(現おいらせ町)出身の37歳。ばんえい競馬・大橋和則厩舎所属。2000年にばんえい競馬の厩務員になり、05年1月1日付で同競馬史上3人目の女性騎手として騎手免許を取得(ばんえいに騎手学校はなく、免許試験受験のため1年以上の厩務員経験が必要)。同年1月5日、帯広5Rソレイケゴーゴーでデビュー。同21日に帯広4Rヤマトハンターで初勝利。2376戦169勝(10日現在)。1メートル50。血液型A。柔道2段。好きなものは動物(とくに馬と犬)と食べること(激辛好き)。お薦めのお店は豚丼のとん田(帯広市)とCHEESECAKE一厘(音更町)。

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