【凱旋門賞】クリンチャー、超抜仕上げ!武、一変感じた

[ 2018年10月4日 05:30 ]

軽快な動きを見せたクリンチャー
Photo By 代表撮影

 世界を驚かす準備は整った。「第97回凱旋門賞」(7日、フランス・パリロンシャン競馬場芝2400メートル)に挑むクリンチャー(牡4=宮本)が3日(日本時間同日午後)、調教の拠点エーグル調教場のダート直線コースで最終追いを行った。単走でビシッと負荷をかけられ、前哨戦・フォワ賞(6着)を使っての上昇をアピール。動きを見守った武豊騎手(49)も状態の良さを感じ取った。出走馬20頭(枠順を付さない)も確定。4日午前11時(同午後6時)、枠順が確定する。

 曇り空。10月のシャンティイは肌寒いがクリンチャーの動きには熱さがあった。コンディションのいい芝ではなくダート。日本と違って目が細かい。当然、負荷が掛かる。長谷川助手を背にしたクリンチャーが単走で躍動した。ラスト1Fはいっぱいに追われた。

 「予定通りにやれた。追い切り全体は見られなかったが、息づかいが激しかったので目いっぱいやったんだと感じた。これで反応が上がる。より良いパフォーマンスができる」。ゴール地点で待ち、トップスピードでの四肢の動き、息の入りを確認した宮本師は満足そうだった。

 使って急上昇するのがクリンチャーだ。新馬戦で12着に大敗したが、14番人気の未勝利戦で3馬身差完勝。3歳秋はセントライト記念9着から10番人気の菊花賞で2着と激変した。「フォワ賞で凱旋門賞と同じコースを走れたことはプラス。6着はがっかりしたが前哨戦としては悪くなかった」と指揮官は一変を確信する。

 武豊もゴール地点で見届けた。「見た感じもフォワ賞の時よりシャープになった感じがする。確実に良くなっていると思う」。凱旋門賞は自身7度目のチャレンジ。勝負どころは分かっている。作戦は決めていないと前置きしながらも「前のポジションを取りたい」と明かした。

 追い風が吹きつつある。最後の直線でインのラチをへこませる「オープンストレッチ」を凱旋門賞で使用しないことが発表された。「自分にとっては、いい知らせ。レースに行って、どうなるか分からないが前で運びたいので、ない方がいいかな」。混戦の中、後方の馬にインからスパッと抜けられてはたまらない。フォワ賞で先行したことが今回、生きてくる。

 9月29日にJRA4000勝を決めた。日本で想像する以上にフランスでも話題になっている。「ここに来る前に達成できればと思っていた。うれしいね。海外の騎手からもおめでとうというメッセージをたくさんいただいた」。気持ちよく臨める大一番。今こそ世界中を驚かす時だ。

 ▼フォワ賞追い切りVTR エーグル調教場の直線芝レゼルヴォワコースで1200メートルの追い切り。武豊を背にゲネラルプローベを追走。ラスト200メートルで一気に加速したが激しく追うことはせず半馬身遅れでフィニッシュした。

 ▼シャンティイ調教場 パリの北約40キロ。シャンティイの森の中にある。エーグル、ラモルレー、コワイラフォレなど、いくつかのコースに分かれ、総面積は約400ヘクタール(東京ドーム約85個分)。調教場使用料は賞金の約1%。日本馬が勝てば1着賞金約3億7600万円の1%、約376万円を支払う必要がある。

続きを表示

この記事のフォト

2018年10月4日のニュース