アドマイヤ復権!近藤オーナー、最高額5億8000万円馬落札

[ 2017年7月12日 05:30 ]

史上2番目の5億8000万円で落札された「イルーシヴウェーヴの2017」
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 空前絶後の大盛況だ!日本最大の競走馬セール「セレクトセール2017」(北海道苫小牧市)は11日の当歳セリで終了し、2日間合計で過去最高の173億2700万円を売り上げた。この日、最高額を叩き出したのは「アドマイヤ」の冠名で知られる近藤利一氏(74)。史上2番目の5億8000万円で「イルーシヴウェーヴの2017」を落札し、“アドマイヤ復権”を印象付けた。

 復権を懸ける思いが伝わる競り合いだった。「イルーシヴウェーヴの2017」(牡、父ディープインパクト)。よどみないコールの応酬で、価格は一気に5億円を超えた。次第に大きくなるどよめき。だが、「アドマイヤ」の冠名で知られる近藤利一氏は最後まで譲らなかった。「興奮して値段が分からなくなったよ。でも意地がある」。昨年、1つ上の兄を2億8000万円で手にしていた里見治氏を5億8000万円で振り切った。

 「この馬だけは諦めないでほしいと言われたから応えたよ」(近藤氏)。ほれ込んでいたのは、昨年のダービーをマカヒキで制した友道師だった。下見でその素質を目の当たりにしていた師は「凄く動きがスムーズ。頭が賢そうだし、ジョッキーも乗りやすいと思う。いかにも折り合えそう」と興奮した口調。愛国生まれの母イルーシヴウェーヴは、仏1000ギニーを制したG1馬。各陣営が注目する良血だった。

 当セールが始まった98年、当歳馬を最高価格(1億9000万円のアドマイヤセレクト)で落としたのが同オーナーだった。その後も07年のアドマイヤハーレ(3億円、1勝)など高額馬を購入し続けてきたが、近年はG1勝ちから遠ざかっていた。潮目が変わったのが、5月のヴィクトリアマイル。アドマイヤリードで9年ぶりにG1を制覇した。反撃ののろしに続き、自己最高、セール史上2番目の高額落札へ。近藤氏は「スターになる馬には育ちが必要。過去にも高い馬を買ってきたけど、この馬は違うでしょう」と満足そうに笑った。

 成長したイメージを問われた師は「2400メートルをこなしてくれるんじゃないか」とダービーへの適性も示唆した。高額取引続出に沸いた今年のセレクトセール。最終日に“アドマイヤ復古”の大号令が鳴り響いた。

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2017年7月12日のニュース