【大阪杯】イスラ再生へ 闘争心呼び覚ます1週前スパルタ追い

[ 2016年3月30日 05:30 ]

皐月賞馬イスラボニータが復活Vを狙う

 今週の阪神メーン「第60回大阪杯」(1着馬に天皇賞・春優先出走権)はG1ホース5頭が激突する超豪華版。台風の目になるのが、14年皐月賞馬イスラボニータだ。前走の中山記念ではまさかの9着に大敗したが、雪辱へ万全の態勢を整えている。

【大阪杯】

 前走・中山記念(9着)の不可解な大敗を忘れたように美しい黒鹿毛が躍る。漆黒の輝きを放つ毛ヅヤ、張りに満ちた馬体。坂路でキャンター調教を行ったイスラボニータに熱い視線を注ぎながら、栗田博師が口火を切った。「休み明けを1度使って、軽さが出てきた。阪神は初めて経験するコース。新たな気持ちで走ってほしい」

 中山記念は陣営が首をひねる走りだった。昨年のマイルCS(3着)に続きゲートで落ち着きを失って出遅れ。道中は中団を追走したが、4角手前で早々と後退した。「ペースが上がったときにはもう余力が残っていなくて、最後は走る気がないような感じ。原因がよく分からない」と首をひねる蛯名。栗田博師は「レース後も息が上がっていなかった。全く走っていない」と語る。

 闘争心の欠如。突然、ハミを取らなくなった馬の心境を理解するのは至難だが、中山1800メートルコースが“トラウマ”になっていたのではないか。昨年、同じ舞台で行われた中山記念(5着)では道悪馬場にのめり、脚部を痛めた。当時のつらい記憶が残っていたため自ら加減して走った…。「トラウマ?その真偽はともかく、やるべき事はやってきたから」と栗田博師は言う。

 発馬難を解消するため、この中間、ゲート練習を繰り返した。通常は枠内で駐立させた後に後ろ扉から出すが、前扉を開けてスタートさせる調教も課している。24日の1週前追い切りではWコース5F65秒4、ラスト1F12秒7の猛調教。「刺激を与えるために併せ馬でビシッと追った。いい反応だったし、ゲート練習でも落ち着いている。あとは本番のゲートでハミをかけて前に出せば…」と同師は続けた。

 豪州G1クイーンエリザベスS(4月9日)遠征を自重して臨む雪辱戦。トラウマがない初コースの阪神でG1ホースの輝きを取り戻す。

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2016年3月30日のニュース