【マイルCS】サトノアラジン魔法のRun ルメール「状態完璧」

[ 2015年11月19日 05:30 ]

ルメールを背にCWコース併せ馬で追い切るサトノアラジン(手前)

 秋のマイル王決定戦「第32回マイルCS」(22日、京都)の追い切りが18日に行われ、サトノアラジンがルメールを背にCWコースで4F54秒5~1F12秒0と抜群の動きを披露した。絶好調の池江厩舎の中でも高い評価を受ける良血ディープインパクト産駒が4歳秋を迎えて充実ムード。一気のG1獲りに挑む。

【マイルCS】

 最終リハーサルを終えたルメールの表情は、頭上の雨空とは対照的に晴れやかだった。それが全てを物語る。すっかり上達した日本語もより滑らかだ。「良かったです。反応も良かった。状態も完璧」とストレートに好感触を伝えた。

 追い切りはCWコースで4Fから。ロードハリケーン(6歳1000万)を2馬身追走して直線は内へ。鞍上が仕掛けると躍動感ある動きで鋭く反応した。前日からの雨で重い馬場を苦にすることもなく、4F54秒5~1F12秒0で頭差先着。池江師も「休み明けの前回から全体的に上積みがありそう」と目を細めた。

 池江厩舎は今年すでにG1・4勝、重賞10勝。実力馬がズラリとそろう同厩舎にあっても、重賞未勝利のアラジンの評価はすこぶる高い。同馬を担当する山元助手のもう一頭の担当馬は宝塚記念、天皇賞・秋を制したラブリーデイ。実績ではもちろんアラジンは及ばないが、山元助手は「ラブリーデイと比べてもポテンシャルは相当だと思う。まだ完成されていないが、今でも十分勝ち負けできる能力がある」とその素質に太鼓判を押す。

 全姉にG1馬ラキシスがいる良血ディープインパクト産駒。師が「まだかみ合っていないが中身がだいぶついてきた」と話すように、4歳を迎えて成長した。500キロを超える巨体から繰り出される迫力満点の末脚を武器に、今年は【2・3・0・0】とオール連対。近2走はともに2着惜敗だが、エプソムCの1、3着馬(エイシンヒカリ、ディサイファ)はその後にG2を勝ち、富士Sの勝ち馬ダノンプラチナはG1馬。戦ってきた相手を考えれば、ここでも一切ヒケは取らない。

 京都は菊花賞(6着)の1戦しか経験がないが、ルメールは歓迎する。「東京の直線はちょっと長い。富士Sのラスト50メートルはちょっと疲れた。京都はもっとスピードがいるコースだし、いいチャンスがある」と自信をのぞかせた。馬の素質、厩舎の勢い、そして鞍上の手腕。3つの“武器”を持つアラジンにとって、G1馬9頭の豪華メンバーも恐るるに足らない。

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