古舘伊知郎 マイナカード“ゴリ押し”に憤り「2万円で釣って、脅して」「一番、得をするのは…」

[ 2023年7月11日 10:33 ]

古舘伊知郎アナウンサー
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 フリーアナウンサー古舘伊知郎(68)が、11日までにYouTubeチャンネルを更新。トラブルが続発している「マイナンバーカード」について、自身の見解を述べた。

 マイナンバーカードでは、同姓同名の別人にマイナンバーカードを交付して使用された事案や、障がい者手帳情報のひも付けミスなどのトラブルが続発。国民の不信感が高まり、カードの自主返納が相次いでいる。一方、政府は、来年秋に健康保険証を廃止してマイナカードに一本化する「マイナ保険証」の方針を堅持すると改めて強調している。

 古館は、「マイナンバー制度」と「マイナンバーカード」は別物だと強調し「しぶしぶ、百歩譲って、このマイナンバーという番号制度は、ありだと思うしかない。元々こっちも反対だったけど…しかし、マイナンバーカードという、この破綻してるものに関しては廃止。少なくとも百歩譲っても、一時停止にしてもらわないと困る」と主張した。

 番号制度の反対については「個人情報が全部筒抜けになっちゃうから」と説明。「何でみすみす国家に丸裸にされなきゃいけないの。これ人権問題も変わっていくんじゃないのっていうのがあったから、こっちの番号制度にも、前のカードにいたっても大反対だったわけですよ」とした。だが、番号制度に関しては、調査を進めるうちに「紙の健康保険証で不十分な本人照合の点、なりすましによる無駄な医療費の問題、人口減少の中で、デジタルによる仕組みを作ることでコスパ・タイパの面で利便性がある」というメリットがあることも判明し、「だから百歩譲って、番号制度の方はしょうがないか」と納得したという。

 古館は、1970年、佐藤栄作首相が提案した「国民総背番号制度」を例に挙げ、「クロヨントーゴーサンピン」で知られる不透明な税制を正す狙いがあったことなどを指摘。番号制度の背景などを、持論を交えて語った。

 一方、「マイナンバーカード」で続発しているトラブルについては、「コメンテーターにしても専門家の方でも“始まりにおいては必ずいろんなエラーが起きる”“落ち着いたときにはとても便利な制度なんだから”“必要なデジタル化なんだから、他の先進国に後れを取っている日本としてやんなきゃ駄目”“今はちょっと我慢のしどころだ”なんて言ってる人いますけど…大間違いだと私は思ってるんですよ」と指摘。

 このトラブルについては、送り仮名やローマ字もある日本語の複雑さを指摘し「先進国をはじめとして、いろんな国民の番号制がありますだけど、最も複雑なシステムになったと言っても過言ではないと思います。だからこそ、問題を繰り返した。欠陥住宅と同じだと思いますよ。ここが問題だと言って、修繕修理をする。直って良かったと思ったら、直したことがきっかけになって、別なところと連動して別な欠陥がぱっと浮かび上がってくる…こういう欠陥住宅で際限なく修理しなきゃというのと似ている」と説明した。

 さらに、「その都度システム改修を繰り返していけば、一番得するのはシステム開発を担当してる大手企業ですよ。各省庁の仕事を請け負ってやってるもちろんお仕事は大変でしょうけれども、そこの大手は儲かりますね、このIT関連でね」と皮肉たっぷりに語った。

 「でも私もね、そういうことばっかり言ってないで、マイナンバーカードのメリットを探そうと思ったけど…これは無理でした」と、マイナンバーカードのメリットはないと主張。「コンビニで住民票や印鑑証明が取れるシステムは便利だよと言われましたね。だけど、よく考えたんですよ。これはコンビニというシステムが便利なだけなんですよね。番号はもう割り振られてるので、コンビニの便利なシステムと番号のうまい組み合わせだけでいけるんじゃないですか?この、問題ありのカードを挟む必要ないんじゃないですか?」と、カードがなくても申請できるシステムが作れたはずだと指摘した。

 マイナンバーカードは、「2万分のポイント配布」によって多くの人に普及した。この点について、古館は「2万円のポイント、美味しいですよね。私は痩せ我慢で、申請しないできましたが…ざっと大雑把で恐縮だけど、日本1億人に対し、この2万円のために、2兆円の税金を投入しました。そんなこのカードで、これだけの問題が起きていいんですか?」と疑問視。「これ、一言で言うと、2万円で多くの人が釣られました。でも、カード持ってない人に、今度は何ですか。“紙の保険証が来年なくなるんだよ”と落としにかかりましたよね。バッとお金で釣って、そしてまた脅して、一気に77%まできました」と、カード普及の方法が“脅し”だと憤り「国民をバカ扱いしてですね、“あんたたちは江戸時代のお上か”と、私は役所を含めて言いたくもなりますよ」と、政府への怒りを爆発させた。

 古館は最後に「由らしむべし 知しらしむべからず」という論語の言葉を引用し「“ただ、我々に寄り添ってくれていれば、知らなくても大丈夫だよ、万事うまくいくよ”っていうね、上から目線の官僚政治に、バカにするなと我々は怒ってるんだと思います」と私見。「私はマイナンバー制度ではなく、問題だらけのマイナカードに関しては、中止すべきだと思ってます」と改めて呼びかけた。

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