「舞いあがれ!」航空学校編 NHK制作統括「徹底的に取材した」

[ 2022年11月22日 08:30 ]

連続テレビ小説「舞いあがれ!」で、航空学校の女子寮の部屋で倫子(山崎紘菜)に舞(福原遥)があいさつする場面(C)NHK
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 【牧 元一の孤人焦点】NHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」で、ヒロインの舞(福原遥)らが航空機のパイロットになるための学校で学ぶ姿が描かれている。

 パイロットは極めて専門性の高い職種。ドラマの制作統括・熊野律時チーフプロデューサーは「約1年間、徹底的に航空大学校に取材した。何も知らない人間が取材に行って、一から教えてもうら状況で準備を始め、台本を書き進める時も徹底的に協力していただいた」と明かす。

 舞たちが学ぶ校名は「航空大学校」ではなく「航空学校」になっている。

 熊野氏は「極めて専門性の高い学校なので、取材しても、どうしてもドラマでは再現できないところがある。設定上、変えているところがあり、航空大学校と完全に同じではないという意味で、名称を架空の航空学校にした。授業や会話の一言一言などで専門用語が飛び交う世界だから、その専門的な雰囲気を残しつつ、視聴者のみなさんが理解しやすいような、人間ドラマになるようなところを見つけていくのがとても大変だった」と話す。

 舞が生活する女子寮は、男子寮と同じ建物にあり、境のドアの鍵を開け閉めして出入りする仕組み。ドアには「これより女子寮 男子の立ち入りは、絶対禁止」と書かれた張り紙がある。

 熊野氏は「航空大学校は男子だけの時期が長かったが、近年、女子が入るようになって寮のエリアを区切り、男子は女子のエリアに入ってはいけないというルールを作った。それは、いまだにパイロットになる女性が少ないという状況を反映していて、その設定をドラマでも使った。航空大学校は、共同生活をすることでコミュニケーション能力や人間性の育成を図るという教育上の考えから寮制にしていて、それはこのドラマでも大事な要素になる」と語る。

 今週から脚本が桑原亮子さんから嶋田うれ葉さんに変わっている。

 熊野氏は「航空学校編は準備段階からの作業が大変なので専門チームを結成した。脚本は内容を確認するため、航空大学校とのやりとりが必要だった。桑原さんの脚本の基本的なところは維持しているが、シチュエーションが変わり、学園ものの要素が濃くなっている。舞ら6人のチームと教官の芝居で物語が進んでいくので、必然的に前週までとはテンポやタッチが変わる」と説明する。

 航空学校編が進むにつれ専門性はさらに増すとみられる。難度の高い内容がどのように物語に溶け込んで感動的な場面に結実するのかが見どころになりそうだ。

 ◆牧 元一(まき・もとかず) 編集局総合コンテンツ部専門委員。テレビやラジオ、映画、音楽などを担当。

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2022年11月22日のニュース