【アニ漫研究部】「パタリロ!」魔夜峰央氏「少年漫画と一緒にされたくなかった」少女漫画で半世紀
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人気のアニメや漫画のクリエーター、声優に迫る「アニ漫研究部」。今回はアニメ化40周年を迎えた「パタリロ!」作者・魔夜峰央氏のインタビュー後編です。少女漫画を描き続ける数少ない男性作家。この道を選んだ思いを語ってもらいました。
かつては、ちばてつや氏や赤塚不二夫氏ら多くの男性作家も描いた少女漫画。だが、1970年代に入ると、その数は徐々に減っていく。そんな中、73年デビューの魔夜氏は今も少女漫画のカテゴリーで描き続ける数少ない男性作家だ。
「長く描き続けているのは私一人かもしれない。以前は『スケバン刑事』の和田慎二氏をはじめ、柴田昌弘氏、赤座ひではる氏、あなだもあ氏…結構いましたけどね。今や絶滅危惧種ですよ(笑い)」
少女漫画の道を選び、描き続けるのはなぜか。
「実は少女漫画を描いているつもりはないんです。少女漫画家になろうと思ったというよりは、少年漫画に行きたくなかったんです。私が描き始めた頃の少年漫画ってメチャクチャ汚かった。絵もストーリーもガチャガチャで“こんなところで描きたくない、一緒にされたくない”と思った(笑い)。やたら男臭い番長の話などが多くて“やめてくれ!”って思いでした(笑い)。だったら少女漫画だな、となったわけです」
少女漫画誌を本格的に読み始めたのは中学時代。
「同級生の家に遊びに行ったとき。週刊マーガレット(集英社)があって、そこで初めて読んだ。それまで少女漫画は『りぼん』や『なかよし』など月刊誌が多く、週刊の少女漫画誌を読んだのはそれが初めてだったと思う。“うわっ!きれいな世界があるんだな”と気になって読むようになったと記憶している。買っていた時期もあったと思う」
当時の週刊マーガレットの連載漫画で、まず引き込まれたのは西谷祥子氏の「マリイ・ルウ」だという。
「金髪碧眼(へきがん)の少女を初めて主人公に据えた作品だったかもしれない。それまでの少女漫画は、主人公が必ず日本人の女の子。黒髪のね。貧乏でかわいそうな女の子というのは定番のひとつで、母子寮に住んでいたりした。実際、私の周りに母子寮から学校に通う子もいたしね。そこに金髪碧眼の活発な女の子、アメリカが舞台というのは、ちょっとした驚きだった。今見ても、絵がきれいでね」
その後も魔夜氏は、少女漫画の世界に入り込んでいく。
「水野英子さん、池田理代子さん、萩尾望都さん、竹宮恵子さん…影響を受けた方はたくさんおられます」
高校生になると、自身の漫画を描き始めた。
「漫画家になろうとは思っていなかった。いや、なれると思っていなかった。ただ、ある程度は描けるという気持ちがあって、ちょっと突き詰めてみたいと思ったのが1968年8月28日。はっきり覚えています。そこから、さらに集中して漫画を描くようになった。それでも漫画家になれるとは思っていなかったんですよ。好きで描いていただけなんです」
高校卒業後、生まれ育った新潟県を離れ、大阪芸大に進学。中退して帰郷すると、本格的に出版社への投稿を始める。
「地方から漫画家デビューを目指すのは難しい時代でしたが、別冊マーガレットが『まんがスクール』という地方在住者向けの投稿コーナーを設けてくれましてね。道が開けた形です。それまでは、漫画誌の編集部に原稿を持ち込むのが漫画家デビューの一般的な方法でしたが、時間もお金も掛かって、地方の漫画家志望者には簡単なことではなかった」
デビューは20歳になった1973年。まんがスクールで銀賞に輝いた「見知らぬ訪問者」がデラックスマーガレットに掲載された。怪奇ものを描き続けて5年が経った78年に転機が訪れる。
「それまでパッとしない妖怪漫画を描いていましたが、ある時40ページの作品を依頼されて、シリアスなスパイものを描こうと思ったんです。最初は組織にお兄さんを殺された少年による復しゅう物語を考えましたが、どうしてもストーリーが出てこない。その時、たまたま立ち寄ったスーパーの書籍コーナーで立ち読みした雑誌に、シリアスな絵でギャグをやってる漫画があったんですよ。これだ!と思いました。それが、主人公を笑わない少年にして、コメディーというかギャグストーリーにした『ラシャーヌ!』になったのですが、ものすごく描きやすくて評判も良くて」
「ラシャーヌ!」で開眼した、美麗なキャラクターとギャグの融合は、直後に描いた「パタリロ!」に受け継がれた。ラシャーヌの構想初期にあったスパイものの要素から、SFや推理、同性愛まで盛り込まれた作品は大ヒット。82年には「ぼくパタリロ!」としてフジテレビでアニメ化された。「ギャグ漫画」とひとくくりにできぬノンジャンルな作品世界と、連載40年を超えて単行本104巻に達した長寿ぶりから、1976年に始まって201巻を誇る「こちら葛飾区亀有公園前派出所」と並んで語られることも。
「私はそう思わないけど、似ているところがあるのかもしれない。むしろ連載初期は『がきデカ』と言われた。『お風呂に入って香水をつけたがきデカ』だと」
主要キャラクターのバンコランとマライヒの男性同士の恋愛が描かれたが、自身は同性愛者でなくバレエダンサーの山田芳実と結婚。“マライヒ似”と評判の美人で、1男1女をもうけている。
「マライヒは妻がモデルじゃないかと、よく言われますが、実際にはマライヒを描いた方が先なので違うんですけどね。“好きなタイプが似るんでしょう”と答えています」
今後の目標を「パタリロ!」200巻と公言しているが、気負いはない。
「反射神経で描いているだけなので。台詞も考えないんですよ。ひとつあれば反射的に出てくる。それにカブせていくだけ。パタリロとバンコランの掛け合いだけで何十枚も描けますよ。パタリロとバンコランは、漫才のボケと突っ込み。ただそれだけだと作品になりませんが(笑い)。これは亡くなった落語家の桂枝雀さんの言葉ですが、“芸に必要なのは粘りと反射神経”。要するにじっくりやってく姿勢と、その場その場で瞬時に対応する反射神経が必要なんだと、これは確かにそうだなと思いますね」
まだまだ巻数を重ねていきそうだ。
◆魔夜峰央(まや・みねお、本名山田峰央=やまだ・みねお)1953年(昭28)3月4日生まれ、新潟市出身。大阪芸大を中退し73年「見知らぬ訪問者」でデビュー。78年「パタリロ!」連載開始。82年にフジテレビでアニメ化。99年、第28回日本漫画家協会賞優秀賞を受賞。2016年に舞台化され、これまでに4度上演。単行本は104巻(2022年10月現在)で、「パタリロ西遊記!」「家政婦パタリロ!」シリーズなど派生作品多数。ほかの主な代表作に、映画化もされた「翔んで埼玉」や「ラシャーヌ!」など。
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