×

松本若菜 「劇場」から「ワールド」へ 「復讐の未亡人」で連ドラ初主演

[ 2022年7月5日 07:45 ]

ドラマ「復讐の未亡人」について語った松本若菜
Photo By 提供写真

 【牧 元一の孤人焦点】7日にテレビ東京でスタートするドラマ「復讐の未亡人」(木曜深夜2・35)は、女優・松本若菜(38)の現時点での代表作だ。

 これが初めての連ドラ主演。インタビューに応じた松本は「やり切った感はあります。気持ちを込めて、どの瞬間も『密』(主人公)として過ごせました。皆様にぜひ見て頂きたいと思う作品。これが私の代表作になったらうれしいです」と笑顔を見せた。

 主人公の密の本来の名前は「美月」。夫を自殺に追い込んだ職場の人々に復讐するため変名してその会社で働き始めた。美月は長髪に眼鏡だが、密は短髪。醸し出す雰囲気や表情が異なるため、まるで一人二役のようだ。

 「演じ分けるというより、自然にそうなれました。衣装やメーク、髪形に助けてもらったんです。美月の衣装、密の衣装に着替えた瞬間、乗り移って来るような感じ。みんなでディスカッションしながら作り上げた衣装やメークだからこそ、そうなれたんだと思います。役者同士でお芝居の話をする時、よく『役作りは?』と聞かれて『衣装』と答えると、結構『分かる』と言われます」

 このドラマの映像は美しい。表情のアップが印象的で、肌のきめ細かさなどもよく分かり、これまでのどの作品よりも松本が端麗に見える。

 「チーフ監督(井樫彩さん)がきれいな絵を撮るのが得意で、特に女性をすてきに撮ってくれます。『復讐の未亡人』というインパクトの強い題名の正反対の絵。ざらざらした絵ではなく、なめらかな絵になっています。密は男女を問わず憧れられる女性なので、そのような女性になろうとすると、私の所作も自然に変わります。第1話にお弁当を食べるシーンがあるんですけど、そこも生活感が出ないように演じました。女優さんのイメージとして『普段どんな生活をしているか分からない』というのがありますけど、それに通じる部分があるかもしれません。そういうものが絵に出ていると思います」

 職場での密は無表情だ。胸に秘めた復讐心を表すこともないが、周囲に愛嬌を振りまくこともなく、総じて冷ややかな雰囲気を漂わせる。そこに、松本の女優としての新たな魅力を感じる。

 「難しさがありました。考えて無表情にしようとすると、どこか所作に頼ってしまうところがあります。アップで撮られていることを感じると、表情を作ってしまうところもあります。だから、密を演じるに当たっては、何も考えないで、心を『無』に持っていく作業をしました。これまでの作品でも、お芝居をしている時、無に入る瞬間はありましたが、ここまで無が多かったことはありません。それは、私の中で密が生きてくれたからだと思います」

 このドラマには、官能的なシーンもある。密は復讐のため自らの肉体を使うこともいとわない。刺激的な場面を目にして眠れない夜を過ごす視聴者もいるだろう。最近のドラマで「松本劇場」と言われたが、ここには広大で濃密な「松本ワールド」が広がっている。

 ◆牧 元一(まき・もとかず) 編集局総合コンテンツ部専門委員。テレビやラジオ、映画、音楽などを担当。

続きを表示

「美脚」特集記事

「矢沢永吉」特集記事

2022年7月5日のニュース