前田公輝 「ちむどんどん」の恋愛模様 「僕自身もヒリヒリする」

[ 2022年6月29日 08:20 ]

連続テレビ小説「ちむどんどん」で智を演じる前田公輝(C)NHK
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 【牧 元一の孤人焦点】NHK連続テレビ小説「ちむどんどん」でヒロイン・暢子(黒島結菜)の幼なじみ・智を演じる俳優の前田公輝(31)がインタビューに応じた。

 ──初めての朝ドラの撮影現場はいかがですか?
 「夢のような世界です。ずっとあこがれていた場所で、どんな役でも出演させていただきたいと思っていたので、智のような大きな役で出演させていただき、本当に感謝しています。自分自身の未来が楽しみになる役と出会えて、うれしいです」

 ──朝ドラに出演する前と現在では心境が違いますか?
 「先日、偶然、スマホの中にあった2年前の日記を読んだんです。起伏のない生活に対する不安や焦燥感が書かれていて、こんな時代もあったんだ!?と思いました。そう思うのは、今の生活が豊かで充実しているからです。他の作品の現場に行っても、スタッフの方々だけではなく共演者の方々がこのドラマを見てくださっていて、改めて朝ドラの影響力の強さを感じています」

 ──どのようなことを心掛けて役作りをしましたか?
 「雑草魂です。智には、どこからでも芽を出すような根っこ、メンタルの強さがあります。家族を幹とする生き方は僕も同じですが、精神を鍛えながら体を使ってお金を稼いでいく姿は尊敬するしかありません」

 ──智のどんなところが好きですか?
 「悩んでいることを人に見せないところです。僕だったら辛くて誰かに悩みを聞いてもらうような時でも、智は家族にさえ言いません。美学を感じます」

 ──暢子を演じる黒島さんはどんな役者さんですか?
 「ガジュマルの幹みたいな方です。とてもフラットな性格で、常に真っ白な状態で現場にいます。そういう人が中心にいると、安心してお芝居ができます」

 ──智は暢子を好いているようですが、自分を慕っている歌子(上白石萌歌)のことはどう思っているのでしょうか?
 「『未来の妹』ですかね(笑)。智は自分で未来予想図を描き、それに向かってまい進しています。智にとって歌子は暢子の妹という部分が大きいと思います」

 ──幼なじみの和彦(宮沢氷魚)と暢子の関係についてはどう思っているのでしょう?
 「智は自分の気持ちが大き過ぎて、周りが見えなくなっていると思います。常に暢子の一挙手一投足を見てはいますが、この先、何か変化があっても察知できないんじゃないでしょうか」

 ──ドラマで恋愛模様を演じるのはいかがですか?
 「映像の中で恋愛を演じる経験がなかったので、みなさんから吸収することが多いです。僕自身も初めてですが、智も恋愛で初めて感じる気持ちが多いので、そこはリンクする面があります。智がヒリヒリするシーンは、僕自身もヒリヒリして、今すぐ家に帰りたいという気分になります(笑)」

 ──朝ドラに出演する中で、役者としての成長を感じることはありますか?
 「役への取り組み方が変わりました。撮影が始まる前は、智に近づくためにどれだけ自分の要素を削るかということに集中していました。でも、今は、どれだけ智を抜けるかというスタンスに変わっています。智を抜けば抜くほど、既に自分の中にある智と僕自身が凄く良いバランスでミックスする感覚になるんです」

 ◆牧 元一(まき・もとかず) 編集局総合コンテンツ部専門委員。テレビやラジオ、映画、音楽などを担当。

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