加山雄三 コンサート活動から引退 4月に85歳「まだ歌えるうちに」、音楽活動は継続

[ 2022年6月20日 03:00 ]

コンサート活動を年内で引退する加山雄三
Photo By 提供写真

 歌手の加山雄三(85)がコンサート活動から引退することを19日、所属レコード会社を通じて発表した。80歳を超えて初の大病を続けて患ったこともあり、高齢を理由に「まだ歌えるうちにやめたい」と決断。12月中に開催する船上ライブを最後に年内で終了する。歌手活動は続けていく。

 「歌えなくなってやめるのではなく、まだ歌えるうちにやめたい。最後までいつも通り歌う。それが一番なんだ」。4月に85歳の誕生日を迎え、家族やスタッフと一緒に「100%満足いくコンサートを提供し続けていけるのか」を模索し、葛藤を経て至った決断だという。

 82歳だった19年11月、軽度の脳梗塞と診断され、初の大病を患った。翌20年8月には誤嚥(ごえん)に伴う激しいせき込みが原因で小脳出血を発症。昨年3月にはスポニチ本紙などの取材に、一時はろれつが回らない言語障害が出ていたことを告白した。その3カ月後の同6月にコンサートを開催し、ステージ復帰。「年を取ることでさまざまなことを続けていくことの大変さを実感した」と、客前で歌うのが困難になってきたと振り返った。

 引退のステージは12月、名誉船長を務める豪華客船「飛鳥2」の船上で開催する「若大将クルーズ」となる。開催日などの詳細は未定。同クルーズは来月にも予定している。一方、通常のコンサートは9月9日に東京・有楽町の東京国際フォーラムで開催する特別公演「加山雄三ラストショー~永遠の若大将~」が最後となる。

 「コンサート活動は年内をもってケジメをつけようと思いますが、これからも音楽は親友であり大切にしていきたいと思います」とし、CDリリースや「弾厚作」としての作曲活動は続けていく意向。61年に歌手デビューし、日本のシンガー・ソングライターの草分けとして、自作した歌をコンサートで全国各地で披露してきた加山。「最後のライブ、皆さんで楽しみましょう!」と呼び掛けている。

 ◇加山 雄三(かやま・ゆうぞう)本名池端直亮(いけはた・なおあき)1937年(昭12)4月11日生まれ、神奈川県出身の85歳。慶大卒業後の60年、東宝と専属契約を結び映画「男対男」でデビュー。61年に「夜の太陽」で歌手デビュー。作曲活動も行い、代表曲は「海 その愛」(76年)や「サライ」(92年)など。14年に旭日小綬章を受章。ニックネームは「若大将」。
 
 【80歳以降の加山】
 ▼18年1月 傘寿記念の全国ツアーを16都市で開催
 ▼4月 「光進丸」を焼失。自身が設計し82年に建造した全長30メートル超の愛艇
 ▼19年4月 82歳の誕生日に合わせた特別コンサート。2日間で計1万人動員
 ▼5月 自宅でトレーニング中に腰を圧迫骨折
 ▼11月 右の脳に軽い脳梗塞が見つかり入院。2公演を延期
 ▼12月 コンサートで復帰
 ▼20年8月 自宅で水を誤嚥し救急搬送。激しくせき込み嘔吐(おうと)したため精密検査を受けた結果、小脳出血が見つかる
 ▼11月 退院
 ▼12月 13年ぶりのアルバム「DEDICATED to KAYAMA YUZO」を発売
 ▼21年3月 本紙などの取材に対応。84歳の誕生日となる4月11日に活動を再開すると発表し「(10年後の)94歳まで生きたい」
 ▼6月 コンサートでステージ復帰
 ▼10月 文化功労者に選出
 ▼22年2月 都内で行われたNFTのイベントにサプライズでゲスト出演

続きを表示

2022年6月20日のニュース