「ちむどんどん」暢子と和彦の関係の行方

[ 2022年6月3日 08:30 ]

連続テレビ小説「ちむどんどん」第40回で、一緒に沖縄そばを食べる和彦(宮沢氷魚)と暢子(黒島結菜)(C)NHK
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 【牧 元一の孤人焦点】3日放送のNHK連続テレビ小説「ちむどんどん」第40回で、ヒロインの暢子(黒島結菜)が、幼なじみの新聞記者・和彦(宮沢氷魚)から感謝の気持ちを伝えられる場面があった。

 5月31日放送の第37回で、2人は、子供の時に離れ離れになって以来の再会。修業中の新聞社で険しい表情だった暢子が一転して「和彦くん!」とはしゃぐ姿が印象的だった。

 演出した中野亮平氏は「黒島さんには、子供の頃の暢子に戻ったような表情で演じていただきました。暢子が昔の友だちと再会して無邪気に喜ぶところを表現したいと考えました。宮沢さんは、たたずまいが、まさに和彦そのもので、とても知的、とても素直で、しっかり人の目を見て話をする方。宮沢さんご本人から感じる雰囲気を、そのまま和彦のキャラクターの参考にさせてもらっています」と明かす。

 6月1日放送の第38回では、2人が居酒屋「あまゆ」の前で会話。暢子が新聞社で会った大野愛(飯豊まりえ)について「恋人だよね?」と尋ねると、和彦は「うん。新人研修の時に知り合った」と認めた。

 この場面に関して中野氏は「暢子と和彦の間の差を表現したいと思いました。一方は修業中の身で、一方はエリートの新聞記者。2人の差を表現するための味付けとして、暢子にゴミ袋を持たせました。暢子と和彦の今後の恋愛模様を期待する視聴者の方々もいらっしゃるでしょうが、和彦には大野愛という恋人がいます。この場面で、2人が恋愛関係に発展することの難しさを感じていただけたのではないでしょうか」と説明する。

 その後、暢子は和彦の記事執筆のために尽力。記事は無事に完成し、3日放送の第40回で、和彦が「暢子、ありがとう」と心からの感謝を伝えた。

 中野氏は「暢子は、探していた記事を発見したことより、心の支えになったことで、和彦を助けました。和彦は記事を完成させることができたけれど、歯がゆさは残った。それを最終的に温かく包み込んだのが暢子でした。この場面で、2人の先行きを感じていただければ幸いです」と話す。

 さて、この先、2人の関係はどうなるのか…。

 中野氏は「和彦は子供の頃、滞在先の沖縄で『帰る』が口癖でした。ところが、暢子らに出会ったことで大きな影響を受け、沖縄が好きになりました。今は新聞記者として地方の文化について書きたいと言っています。暢子はその重要性をまだよく理解していませんが、いずれ、彼女にとって大きな意味を持つのではないでしょうか」と話した。

 沖縄で心を通わせた2人。東京でも目が離せない展開がありそうだ。

 ◆牧 元一(まき・もとかず) 編集局総合コンテンツ部専門委員。テレビやラジオ、映画、音楽などを担当。

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2022年6月3日のニュース