渡辺名人が3連覇へ王手!100手で勝利し名人戦3勝1敗 3段目の王に格言「中段王、寄せにくし」の強み

[ 2022年5月20日 20:11 ]

渡辺明名人
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 渡辺明名人(38)=棋王との2冠=が斎藤慎太郎八段(29)の挑戦を受ける第80期名人戦第4局は20日、山口市で2日目が指し継がれ、午後7時3分、100手で渡辺が勝利し、3勝1敗として3連覇へ王手をかけた。消費時間は持ち時間9時間のうち、渡辺が7時間18分、斎藤は8時間48分。

 長く守勢に回った渡辺が攻勢に転じたのは、この日昼食休憩明けだった。侵入を許した馬から遠ざかるため、3段目へ待避した王の背後へ飛車を打たれた直後。自陣に火の手が上がったが、ひるまなかった。1時間6分の考慮で敵陣へと金を打ち付け、攻め合いへと踏み込んだ。

 金銀桂による大駒なき波状攻撃で斎藤王を5筋から7筋へ追いやる。対して自王は斎藤の2枚飛車に左右から挟み撃ちされたが、3段目のポジションが堅くて広く、安定感があった。

 局後、両者が指摘し合ったのがこの王の位置。「王が上がっているので飛車には強い。それで何とか…という感じだった」。渡辺の回想の後、斎藤も「いろいろ指したい手があったがどれがいいのか分からなかった。飛車に強い形と読み切れてなかった」と振り返った。格言にある「中段王、寄せにくし」の中段王とは4、5、6段目のこと。この日の3段目にも同様の強みがあった。

 第5局は今月28、29日に岡山県倉敷市で指される。3連覇へあと1勝とした渡辺は「次が来週にある。また考えて臨みたい」、斎藤は「気持ちを切り替えてやっていきたい」と語った。第4局を終えて渡辺の3勝1敗は昨年と同スコア。一気にゴールテープを切った昨年と同じシナリオだろうか、果たして。

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2022年5月20日のニュース