藤井王将 名人挑戦へ A級順位戦初戦はVS佐藤康九段 いきなり好カード

[ 2022年4月19日 05:30 ]

第49回将棋大賞表彰式で記念撮影に応じる(左から)渡辺和史五段、藤井聡太竜王、佐藤康光会長、桐山清澄九段、千田翔太七段
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 将棋の第81期名人戦順位戦(毎日新聞社、朝日新聞社主催)の各級組み合わせが18日、発表された。A級では初昇格の藤井聡太王将(19)=竜王、王位、叡王、棋聖含む5冠=が初戦(例年6月)で佐藤康光九段(52)との対戦が決定。初の名人挑戦を目指す9カ月に及ぶ長丁場がいよいよ始まる。

 A級の組み合わせは例年トランプを使用して行われる。前年順位は一切考慮されず、白紙の状態から抽選で対戦順を決める。開幕局の相手、佐藤康はタイトル獲得通算13期を誇るベテランで、連盟会長職を務めながらA級を維持。定跡にとらわれない変幻自在な棋風で「丸太流」「変態流」と呼ばれる強豪だ。

 その佐藤康を含め、対戦可能性のある10棋士に藤井はいずれも勝ち越している。しかし現在名人挑戦中の斎藤と、ラス前で対戦する永瀬には現時点で2連敗中。過去の対戦成績だけでは判断できない高次元の戦いとなること必至で、9局全てが藤井にとっての天王山だ。

 気になるのは名人戦挑戦に必要な勝利数。過去2期は斎藤が8勝1敗の好成績で突出しているものの、一般的には7勝2敗が「優勝ライン」だ。10棋士が星をつぶし合う混戦状態となれば6勝3敗でもチャンスがある。ただし相星で首位に立つ棋士が3人以上いる場合はプレーオフで前年実績に基づくランキング(順位)下位同士の対局を経なければならない。藤井のランキングはB級1組からの昇格なので10人中9位。名人挑戦には一局一局丁寧に星を拾っていく着実な戦いが必要だ。

 藤井はこの日、東京都渋谷区の将棋会館で行われた第49回将棋大賞表彰式に出席。2年連続2度目となる最優秀棋士賞の賞状を受け取り「光栄に思っています。昨年度は印象に残る対局が多く、中でも竜王戦第4局では最終盤で非常に難解な局面が現れ、将棋の奥深さを改めて感じました。昨年度の経験を生かし、今後より一層精進してまいります」とあいさつした。

 ▽トランプを使っての対局決定 ダイヤのA~10の計10枚を使用。カードを2枚ずつめくり対局相手を決める。カードの数字とA級順位を対応させ、例えば「3」と「5」が出れば、3位と5位が対局。10枚全てめくれば、次戦の抽選へ。既に対局済みの組み合わせの場合はやり直し。最終9回戦まで続ける。

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