ブルース・ウィリス 失語症で引退 公開待機作10本近くあるが…家族「大切なキャリアから身を引く」

[ 2022年4月1日 05:30 ]

ブルース・ウィリス(AP)
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 アクション映画「ダイ・ハード」シリーズなどで知られる米俳優ブルース・ウィリス(67)が失語症のため俳優業から引退することになった。妻で女優のエマ・ヘミング(43)ら親族が30日、インスタグラムで発表した。

 ヘミングと元妻で女優のデミ・ムーア(59)、5人の子供の連名で「私たちの愛するブルースがいくつかの健康上の問題を抱え、最近、認知能力に影響を与える失語症と診断されたことを伝えます」と説明。「この診断結果と熟慮の末、ブルースは自身にとっても大切なキャリアから身を引くことにしました」とした。

 ウィリスは1955年、旧西ドイツ生まれ。57年に家族とともに米国に移住。大学で演劇を学んでいたが中退。85年、オーディションで約3000人の候補者の中から主演に抜てきされたドラマ「こちらブルームーン探偵社」で女優シビル・シェパード(72)の相手役として注目された。

 大きな転機は88年の主演映画「ダイ・ハード」。高層ビル内で一人、テロリストと激闘を繰り広げるジョン・マクレーン刑事を熱演。ハリウッドの大物アクション俳優の仲間入りをした。映画は日本でも大ヒット。常に単独での戦いを強いられる“世界一ツイていない男”マクレーン刑事は、ウィリスの代名詞となり、シリーズはパート5まで製作された。

 全世界で特大ヒットとなった98年の「アルマゲドン」では、小惑星の衝突から地球を守る石油採掘会社の社長役。新たなヒーロー像をつくり上げた。99年のサスペンス「シックス・センス」ではアクション俳優から一転、抑えの利いた演技でファンをうならせた。

 日本ではソフトバンクのCMにドラえもん役(声は藤岡弘、)で出演。根強いファンが多いが、最近は劇場公開される作品は減少傾向で、DVDや配信でのリリースが主流になっていた。米国では主演映画「ア・デイ・トゥ・ダイ」が3月20日に封切られたばかり。公開待機作が10本近くに及ぶ中での突然の引退となった。

 ≪歌手としても活動≫ウィリスは歌手活動もしており、87年にデビューアルバム「リターン・オブ・ブルーノ」を発表。シングルカットされた「リスペクト・ユアセルフ」はビルボードチャートでトップ5入りした。その後、89、01年にもアルバムをリリースしている。

 ▽失語症 言語障害の一つ。左脳にある言語中枢を損傷することで発症。原因の多くは脳梗塞や脳卒中といわれる。広く知られる症状には「ウェルニッケ失語」と「ブローカ失語」がある。ウェルニッケ失語は、流ちょうに発話できるが言葉を聴く能力に障害が生じ、発話内容が理解不能なものになる。ブローカ失語は、言葉の理解はできるが発話することが難しくなる。全国で約50万人が罹患(りかん)しているとされる。

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2022年4月1日のニュース