大石七段 王将4期の久保九段に王将戦一次予選で勝利 5局目で初勝利の久保とは「マラソン研」の間柄

[ 2022年4月1日 19:13 ]

第72期ALSOK杯王将戦一次予選で久保利明九段(右)に勝利し、別室で感想戦を行う大石直嗣七段
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 第72期ALSOK杯王将戦一次予選の大石直嗣七段(32)―久保利明九段(46)の対局が1日、大阪・関西将棋会館であり、先手大石が125手で勝利した。大石は王将4期の対久保戦5局目にして初勝利。「久保先生にはコロナ禍前まで“マラソン研”で教わった。一局一局全力で闘っていきたい」と意気込みを語った。

 大石の言う「マラソン研」とは4人で将棋を指し、その後、大阪城公園などでマラソンをした後、ビールで打ち上げという研究会。大石は1回戦で村田顯弘六段(35)に勝利。久保を破り、さらに3回戦では井田明宏四段(25)と対戦する。いずれも本社主催・大阪城公園ナイトランの常連メンバーで気心の知れた間柄。もちろん勝負となれば普段の交流は別問題だが、3連破して一次予選決勝に進出し、2期ぶりの突破を目指したいところだ。

 将棋は久保が四間飛車を選択し、両者穴熊に囲い合った。久保が突き越した9筋を逆用するように39手目▲9六歩と反撃し、銀香交換の駒損ながら2枚香で久保王への圧力を加えた。さらに63手目▲5五歩△同歩▲3五歩と積極的に戦線拡大。「自分らしく指したかった」。▲5五歩の局面では4六歩を守るため▲5七金や▲4八飛もあったが、手応えを感じていたという。

 4月に番勝負が始まるタイトル戦は、名人戦が渡辺明名人(37)=棋王との2冠=に斎藤慎太郎八段(28)が挑む。叡王戦は藤井聡太叡王(19)=王将、竜王、王位、棋聖含む5冠=への挑戦権を出口若武五段(26)と服部慎一郎四段(22で2日に争う。

 斎藤、出口、服部はいずれも関西所属で大石の競争相手。「本戦から遠ざかっているので今期はそういう戦いをしていきたい」。大石も、藤井だけでなく、勢いのある関西若手勢の波に乗り遅れるわけにはいかない。

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2022年4月1日のニュース