きょう最終回「相棒20」 4代目・反町隆史が卒業 脚本家に聞く、反町との共同作業

[ 2022年3月23日 11:20 ]

反町が初登場した「相棒14」第1話のワンシーン
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 テレビ朝日の人気刑事ドラマ「相棒」(水曜後9・00)はきょう23日に「season20」の最終回を迎え、4代目相棒の反町隆史(48)が卒業する。演じたのは元法務省キャリア官僚の冠城亘(かぶらぎ・わたる)。2015年10月スタートのシーズン14から登場した。

 2000年の土曜ワイド劇場時代から脚本を担当する輿水泰弘氏(62)によると、冠城は反町の起用が決定後に当て書きした。「反町さんの風貌や雰囲気から、キャリア官僚など似合いそうだと思った…といっても、警察官僚では芸がない」。そこで生み出したのは新鮮で魅力的なキャラクター。「省庁間の人事交流制度をドラマ内で拡大解釈し、変わり種のような感じで登場させました」と明かす。

 主演の水谷豊(69)演じる杉下右京を「右京さん」と呼んでいるのは初代・亀山薫(寺脇康文)と4代目の冠城だけ。初めて呼び掛けた場面は、2人がまだ打ち解ける前の段階。輿水氏は「反町さんの醸し出す洒脱(しゃだつ)さ、人懐っこさと不可分。これこそが“冠城亘”というキャラクターです」と語った。

 俳優と脚本家による“共同作業”が行われていた。輿水氏は「私が書いたものを反町さんの解釈で演じ、触発されて新たな印象を書き加えて…の繰り返し。毎回がお互いのフィードバックでキャラクターを作っていきました」と振り返る。

 例えば、浅利陽介(34)演じる青木年男との“じゃれ合い”のシーン。青木はサイバーセキュリティ対策本部に身を置き、特命係の2人に恨みを持つ嫌みな男だ。反町は「青木の髪の毛をぐしゃぐしゃにする」「ちょっかいを出す」などのアドリブで役に肉付け。「回を追うごとにスキンシップがエスカレート。杉下右京とは違った形で、2人の絆が深まっていきました」と説明した。

 役作りについて反町と話したことはない。それでも「イメージ通りどころか、最初のイメージをはるかに超える魅力的な“冠城亘”が、この7年間で出来上がりました」と満足げな表情だった。
 7年にわたって水谷演じる杉下右京と関係を築き、出演回数は相棒史上歴代最多記録を樹立。輿水氏は「強固な絆を感じさせるコンビ。実際の反町さんと水谷さんも仲良しで、2人の関係がクロスオーバーする形で成長していったようにも思います」と話した。

 最終回は「冠城亘最後の事件―特命係との別離」と題し、前週と合わせた2部構成。冠城と因縁のキャラクターが勢ぞろいし、怪文書で“パパ活”疑惑を掛けられるなど予想外の展開を迎えている。「いろいろご想像されると思いますが、先入観なく物語に身を任せていただきたいです」と呼びかけた。

 実は輿水氏と反町は、中学の先輩後輩という間柄。「今回お仕事ご一緒できたこと、とてもうれしく思っています。我が母校の送り出したスター、反町隆史さんのますますの活躍を期待しています」と温かいエールで送り出した。

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