「カムカム」青木柚 年上女性への恋心をさわやかに表現

[ 2022年3月4日 08:15 ]

連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」で、桃太郎を演じる青木柚(C)NHK
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 【牧 元一の孤人焦点】4日放送のNHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」第87回で、ヒロイン・ひなた(川栄李奈)の弟・桃太郎(青木柚)が、ひなたの友人・小夜子(新川優愛)に恋心を抱く姿が描かれた。

 青木は昨年、NHKのドラマ「きれいのくに」などに出演した注目株。朝ドラ出演は初めてで、制作統括の堀之内礼二郎氏は起用理由について「繊細な表現力、芝居力を重視した。青木さんは、深津絵里さん、オダギリジョーさん、川栄さんという芝居が達者な方々が演じる家族の中に入って、一緒にお芝居ができる人」と説明する。

 現在、物語で描かれている時代は1992年。桃太郎は野球の名門校に通う高校1年生で、第87回では、高校の国語準備室を訪れ、教師の小夜子に「国語が苦手」と話しかけ、何か本を選んでくれるよう懇願。1987年に発売されベストセラーになった歌集「サラダ記念日」(作・俵万智さん)を手渡される。

 堀之内氏は「小夜ちゃんに恋をしているのが桃太郎のキャラクターのいちばん強いところで、青木さんには、恋する心理状態をさわやかに演じてもらっている。野球少年であることは、彼にとって大叔父に当たる勇(村上虹郎)と同じで、なんとなくそこにつながるように感じていただければ」と話す。

 小夜子との年の差は11歳。姉のひなたの友人として、幼い頃から親しくしてもらっている間柄ではあるが、客観的に見れば大人と子供だ。

 演出の石川慎一郎氏は「桃太郎は小さい頃から小夜子を見る目がかわいかった。そのいちずなかわいさみたいなところが年を経ても変わらないというところが重要だと思った。成長してもまだ好きだという部分を、引いた目で見られないようにしたかった。いかに彼の純朴さをかわいらしく見せるかということで、青木さんには『さわやかに演じられたらいいですね』と話した」と明かす。

 桃太郎は「サラダ記念日」にある歌「『この味がいいね』と君が言ったから七月六日はサラダ記念日」に感化され、自らの恋心を次々と歌にしていく。

 石川氏は「新川さんとは、小夜子からすれば凄く年下の男の子なので自分のかわいい弟だと思うくらいのお芝居がいいという話をした。今後の2人のことは、引き続きご覧いただければ」と話した。

 果たして、桃太郎の恋の行方は…?ドラマの見どころのひとつだ。

 ◆牧 元一(まき・もとかず) 編集局デジタル編集部専門委員。芸能取材歴30年以上。現在は主にテレビやラジオを担当。

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