「全仮面ライダー大投票」で探る50周年シリーズの魅力

[ 2021年11月4日 08:00 ]

「全仮面ライダー大投票」のキービジュアル(C)NHK
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 【牧 元一の孤人焦点】50周年を迎えた仮面ライダー・シリーズの中で最も人気なのは…?NHK・BSプレミアム「発表!全仮面ライダー大投票」(6日後10・30)で結果が明らかになる。

 同局の「大投票」はこれまでガンダムやプリキュア、エヴァンゲリオンなどの人気シリーズで実施されてきた。

 番組の制作統括の柏木敦子さんは「2017年の『アニメベスト100』が始まりです。日本動画協会が事業のひとつとして日本のアニメのリストを作っていたので、それならば投票ができると考えました。次のガンダム(18年)の反響が大きく、いろんな人に参加してもらえる企画ということで、続けることになりました」と発端を振り返る。

 シリーズ選定の基準は、歴史の長さや作品とキャラクターの多さ。仮面ライダーも以前から候補に挙がっており、50周年の機会に実現するに至った。

 柏木さんは「ファンには、自分の好きな作品の良さを分かってほしいという気持ちがあります。投票に併せて寄せてもらうメッセージを番組で紹介することで、ほかの人たちがその作品に興味を持つという広がりがあります。投票は、優劣をつけるためのものではなく、好きなことを語ってもらうためのものです。みなさんが精魂込めてメッセージを送ってくださるので、読んでいると感動します。それをいかに生かすかが、この番組の大事なところです」と語る。

 毎回、投票結果が強調されがちだが、実は投票によってシリーズそれぞれの魅力を探る番組、魅力を広める番組と言える。

 仮面ライターは、これまで取り上げてきたシリーズの中で最も長い歴史を持ち、作品数やキャラクター数も多い。

 ディレクターの関肇伸氏は「シリーズの内容を把握しないと番組を作れないので一通り見ました。時間がいくらあっても足りないのですが、その作業は大変でもあり、楽しくもあります。個人的にも『仮面ライダーV3』(1973年)からよく見ていて、最近も気になったものは見ていました」と明かす。

 50年にわたって続いてきたシリーズには変遷があり、関氏は「社会の空気感が反映されています。仮面ライダー1号の最初の頃は怪奇アクションで、画面が暗く、雰囲気も暗かった。2号から、明るい正義の味方になって行きます。実験を繰り返していて、特に、平成の最初の頃は仮面ライダーを壊して再構築していく感じ。フォーマットが変化して来ました」と説明する。

 番組は2時間の生放送で、視聴者参加型の祭典の色合いがある。

 柏木さんは「好きな人たちが集まって見る番組にしたかったので、生放送にこだわっています。順位の発表を見ていただきながら、ツイッターで反響を寄せていただいて、それを番組で紹介していきます。仮面ライダーがなぜ50年も続く記録的な作品なのか、愛して来た人たちの言葉で伝える番組にしたい」と意気込みを語った。

 ◆牧 元一(まき・もとかず) 編集局デジタル編集部専門委員。芸能取材歴30年以上。現在は主にテレビやラジオを担当。

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