藤井2冠 王位戦第4局も勝利し叡王戦と獲得へダブル王手 豊島戦の後手番で3連敗中の相掛かりを打破

[ 2021年8月19日 20:39 ]

<将棋王位戦第4局>第4局で豊島将之竜王(右)に勝利し対局を振り返る藤井聡太王位(代表撮影)
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 藤井聡太王位(19)=棋聖と2冠=が豊島将之竜王(31)=叡王と2冠=の挑戦を受ける第62期王位戦7番勝負第4局は19日、大阪・関西将棋会館で2日目が指し継がれ、後手藤井が140手で勝利した。対戦成績を3勝1敗とし、現在2勝1敗の叡王戦5番勝負と共にダブル王手をかけた。両者は6月以降、最大12局のダブルタイトル戦を戦っている。

 「王の堅さに差がある。自信がなかった」。藤井の中住まいと菊水矢倉。陣形に雲泥の差があったが、98手目に豊島の飛車を捕獲。「飛車が獲れて指しやすくなった。次局?来週あるのでしっかり準備したい」と24日から徳島市での第5局を見据えた。

 豊島は1日目、藤井戦の先手番で過去3戦全勝の相掛かりを繰り出した。ここ2年の王将戦挑戦者決定リーグなど重要対局で藤井にぶつけ、1局はひねり飛車へと移行したが好相性の秘策。公式戦762局目の豊島が全棋士まで対象を広げても先手で指したのが今回わずか10局目という採用数の少なさが、温めた作戦の証しだった。それを藤井が初めて打ち破って、初対戦から6連敗した対戦成績も6勝8敗まで戻した。

 佐賀県嬉野市の「和多屋別荘」で予定された第4局は、記録的大雨による避難指示の発令状況を受けて変更された。自然災害による会場変更という異例の措置を経ても、その安定感は不変だった。

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2021年8月19日のニュース