井田明宏四段がデビュー戦で白星 「当面の目標は五段昇段」 奨励会時代は藤井聡太2冠に3勝3敗

[ 2021年5月7日 19:00 ]

デビュー戦を白星で飾った井田明宏四段(提供・日本将棋連盟)
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 4月に将棋のプロを指す四段に昇段した井田明宏四段(24)が7日、第93期棋聖戦1次予選で星野良生五段(32)に121手で勝利し、デビュー戦を飾った。午後からの都成竜馬七段(31)との2回戦は敗れ、連勝発進とはならなかった。

 星野戦では得意戦法の雁木を採用した。後手星野の端攻めに自陣を突破されたが、飛車馬交換から2枚飛車による縦横の攻めで星野陣を攻略した。井田は、三段時代から多かったという逆転勝利に「内容はよくなかったが、そういう部分も含めて自分らしい」と納得顔。また、竜王戦ランキング戦で4期連続昇級し、3月に七段昇段した都成相手に勝負形へ持ち込めたことで「竜王戦でも活躍されている先生。自信になった」と手応えを感じていた。

 昇段を決めてから2カ月。棋士会によるリモートのイベントに出演するなど、奨励会時代にはなかった経験を積んでいる。小学5年から19歳まで過ごした京都市で応援してくれる人も増えたと言い、励みになっている。

 池永天志五段(28)、古森悠太五段(25)、冨田誠也四段(25)。同じ小林健二九段門下には年齢の近い棋士が多く、ネットでの研究会も共にする。「新人賞を獲った池永らと競い合ってほしい」と小林も期待。池永は昨年度35勝15敗、勝率・700の好成績で渡辺明王将(37)=名人、棋王との3冠=や藤井聡太2冠(18)=王位、棋聖=も獲った新人賞に輝いた。

 「頑張りたい。当面の目標は五段昇段です」と井田。奨励会では追い抜かれたが、藤井との対戦成績は3勝3敗という。昨年7月、藤井が初タイトルを大阪でつかんだ第91期棋聖戦5番勝負第4局で記録係を務めて10カ月。再び同じ舞台に立ち、再戦の日を心待ちにした。

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2021年5月7日のニュース