ダンサー・AIRI アイドルとの両立でDリーグで躍動 「あこがれられる存在に」

[ 2021年5月5日 10:00 ]

「D.LEAGUE(Dリーグ)」で活躍するAIRI
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 【牧 元一の孤人焦点】アイドルでダンサーのAIRI(24)が世界初のプロダンスリーグ「D.LEAGUE(Dリーグ)」で躍動している。

 AIRIは「Dリーグの大きなステージに立って、自分がプロダンサーであることを自覚しました。試合を重ねるごとに、絶対に優勝したいという気持ちが強くなっています。やっていて、とても楽しいです」と笑顔を見せる。

 Dリーグは今年1月にスタート。計9チームが参加し、計12ラウンドで優勝を競う。毎ラウンドの1チームの持ち時間は約2分。審査員の採点と視聴者の投票で獲得点数が決まる。

 AIRIが所属しているのは「USEN-NEXT I’moon(ユーセンネクスト アイムーン)」。リーグ唯一の女性チームで、世界的に活躍するダンサーで振付師のRuu(29)がチームディレクターを務めている。

 そのダンスはスポーティーでありながらアーティスティック。初めて見ると、芸術の新分野を目の当たりにする印象だ。

 「Ruuさんの作品は一つ一つの細かい振りが早い。全員がきれいにそろわなくちゃいけない。逆に、自分の個性は出しちゃいけない。みんなが同じ力加減で動かなくちゃいけない。試合が終わると、達成感があります。後で自分たちの映像を何度も見返してしまいます」

 本名の「池松愛理」で2017年から「ラストアイドル」に所属。4月28日に発売されたシングル「君は何キャラット?」の歌唱メンバーでもある。昨年、アイムーンに所属して以来、アイドルとダンサーの両立が続いている。

 「ラストアイドルは兼任OKのグループですが、自分が兼任してみて、兼任している子の気持ちが分かりました。Dリーグでアイムーンが点数を取れなくて落ち込んでいる時でもラストアイドルのお仕事がある。『シングル発売だから頑張ろう!』とテンションを上げている他のメンバーについていかなくちゃいけない。メンタルの部分が大変です。体力的には、寝なくても仕事ができるタイプなので大丈夫です」

 パフォーマンスにも差異がある。アイドルもステージで踊る仕事ではあるが、ダンスの質が違う。

 「アイムーンでは一つの音で細かく6つくらい動きます。ラストアイドルの曲では1つの音で2つくらい。最近は早く踊るくせがついているから、その調子で踊ると早送りのようになってしまう。ラストアイドルで振りを覚えるのは以前より時間がかかるようになった気がします。私のファンはもともとパフォーマンス重視、ダンス重視で応援してくれる人が多いんです。だから、アイドルとしてもダンスを頑張ろうと思っています」

 Dリーグで戦う中で肉体的な変化もあった。

 「いちばん変わったのは筋肉の量です。アイドルだけの時は衣装が似合わなくなるので腕立て伏せをやっていなかったんです。だけど、Ruuさんのダンスは腕を使う振り付けが多いので、腕の筋肉が足りないことが重くのしかかって、腕立て伏せを急ピッチでやりました。今ではムキムキです」

 Dリーグは第8戦まで終了。アイムーンは9チーム中7位で、残り4戦に勝負をかける。5月6日に第9戦が行われ、無料でライブ配信される。

 「アイムーンはまだまだチャンピオンシップ(上位4チームで争う大会)進出をあきらめていないし、もちろん優勝も目指しています。今、私は『アイドルなのに踊れるの?』と言われることも多いですが、ダンサーとして認められ、あこがれられる存在になれるように頑張ります」

 今後、アイドルとダンサーの両方のステージで、熱い視線を浴びる機会が増えそうだ。

 ◇AIRI(あいり) 1996年(平8)8月28日生まれ、福岡県出身の24歳。3歳からダンスを始め、中学時代にダンスコンテスト「OXE DANCE BATTLE」九州大会で3位。2015年にアイドルグループ「Rev.from DVL」(17年解散)に加入。その後、17年にラストアイドル、20年にアイムーンに加入した。

 ◆牧 元一(まき・もとかず) 編集局デジタル編集部専門委員。芸能取材歴30年以上。現在は主にテレビやラジオを担当。  

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