トータス松本 「朝ドラ史上最低の父」の非難殺到に「オレじゃない!」と魂の叫び

[ 2021年1月30日 22:40 ]

トータス松本
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 ロックバンド「ウルフルズ」のボーカルを務めるミュージシャンで俳優のトータス松本(54)が29日、NHK「あさイチ」(月~金曜前8・15)にゲスト出演。お茶の間で「朝ドラ史上最低の父」と非難が殺到している自身演じる「おちょやん」の父・テルヲと自分は「別人」であるというごく当たり前のことを改めて強く主張し、笑いを誘った。

 トータスは、女優の杉咲花(23)がヒロインを務めるNHK連続テレビ小説「おちょやん」(月~土曜前8・00、土曜は1週間振り返り)で父・テルヲを演じているが、博打(ばくち)で作った自分の借金のかたとして杉咲演じる千代に身売りさせようとする、千代がコツコツとためた全財産を盗んで逃げようとするなど最低の父親を熱演中。視聴者からは「朝ドラ史上最低の父親」「心底嫌気がさす」などと厳しい意見が殺到している。

 オープニングで「呼んでいただいて良かったです。もう出てくんな!って言われるために出ているようなもんで、きょう…」と自虐的に語ったトータス。番組MCを務める博多大吉(49)からは「もうお耳には入ってると思いますけど『朝ドラ史上最低の父』みたいなことをね、世間では言われて」と紹介された。そして、テルヲ役の反響について「大変でしょ?」と聞かれると「こんなんなると思わなかったです」と苦笑い。「ただ一生懸命お芝居しているだけやのに。こんな言われ方するようになるなんて…」と続けた。この日の出演は「テルヲのいいわけスペシャル」だとし、博多華丸(50)に「2時間で収まりますかね」、大吉に「敗色濃厚だなと思いながら…」といじられながらトークをスタートさせた。

 テルヲ役を引き受けるにあたって事前に台本をもらっていたが「1週目の台本は千代がまだ子どもなんでちょけた親父というか、子どもが一生懸命(貧乏ながら)家を何とかしようとしているのに全然取り合わなくてふざけてばっかりっていう。そういうテンションだったから、まだそこまでね、まだひどいっていう感じは分からなかった」とし「でも、1週目の最後の方にいくにしたがってエエ~ッ!っていうような。どういう気持ちでこの言葉を言えばいいのか分からないって言葉がチラホラ出て来だして。そこから結構悩みましたね。で、監督に相談したりとかして何とか乗り切った」と役作りの難しさを語り「なかなかテルヲになれなかった、最初」と口にした。

 当初は1983年4月から84年3月まで放送された国民的朝ドラ「おしん」で幼少期のおしん(小林綾子)を口減らしのため奉公に出す父親・作造(伊東四朗)のイメージだと聞いていたという。だが、「作造さんとは違いすぎるんですよね。作造さんって小作の人で一生懸命ただ働いてるだけなんですよ。なのにうまくいかないっていうかお金が全然入らない。仕方なく娘を奉公に出す。テルヲって自分が働けばそれで済むだけのことやのになんにもしない。全然、作造さんと違うなと思って…。どこ見本にしたらええか分からん、これ!っていう…」とトータス。「真逆でもないけど、だいぶ様子が違うんでね」と戸惑いを語った。

 番組では視聴者から届いた「朝ドラ史上最悪の父親だと思います。酔ったシーンには心底嫌気がさします。お芝居がうますぎる!本当に酔ってるんですか?」という意見を紹介。すると、トータスは「テルヲとは違いますけど、人ってみんなテルヲの部分はあると思う。だってテルヲに対して嫌悪感を持つということはそういう部分が自分にあるからやないの?って思う。自分の中で絶対ああいうふうになっちゃいけないっていう、ああいう人間にだけはなりたくないっていう。それは自分の中にもしかしたらそうなるかもわからんっていう危険性をはらんでいると思うんですよ。だからみんな『テルヲは~!』ってなるのかなっていうのは…」と憎まれ役・テルヲへの思いもにじませた。

 その一方で、視聴者からは「テルヲ憎んでトータス憎まず」などと応援する声も届いているそうで、この意見に「そうなんですよ。テルヲ出てくんな!って言われたらまだ分かるんですけど、トータス出てくんなって言われるとへこむんですよね」とし「オレじゃない!」と魂の叫び。それでも「テルヲってひどくてダメでだらしなくてとんでもないろくでなしやけど、悪い人ではないと思うんですよ。やってることは限りなく悪いんだけど、悪い人ではないと思う」とテルヲを“擁護”するコメントも。だが、この見解には、華丸からも大吉からも賛同は得られず。「僕らも探してるんですよ、テルヲのいいところ、毎日。…ないんですよね」(華丸)「陽気なところとか」(大吉)と苦笑いで言われる始末だった。

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2021年1月30日のニュース