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家元談志の貴重な公演チラシに興奮!

[ 2020年12月17日 08:00 ]

立川談志独演会のチラシ
Photo By スポニチ

 【佐藤雅昭の芸能楽書き帳】帰省した北海道釧路市の古書店で掘り出し物を見つけた。星野小磨氏の写真集「座 噺家(はなしか)」で、「昭和五十年頃の素晴らしき落語家たち」の副題が付いている。日本芸術出版社から1984年12月15日に発売された1冊だ。

 「好色四人女」「浮世絵くずし」などの作品で海外にも知られる星野氏の経歴に目を通すと、1974年に週刊朝日で京マチ子、三田佳子、池波志乃らをモデルにして「当世歌麿の女達」を発表したり、翌75年にはカメラ毎日に東京落語家全真打のポスター「大笑真打登場」を掲載するなど遊び心にも富んだ写真家だ。この「座 噺家」もたまたま知り合いだった柳亭金車に、「小さん師匠の顔を2、3枚撮りたい」と依頼したところから企画が始まったそうだ。

 六代目三遊亭円生、林家彦六、表紙を飾っている六代目春風亭柳橋はじめ、五代目柳家小さん、十代目金原亭馬生、金原亭馬の助、初代林家三平、古今亭志ん朝、五代目三遊亭円楽、立川談志、五代目春風亭柳朝、三代目三遊亭円歌、四代目三遊亭円馬、五代目古今亭今輔、三代目三遊亭円右、四代目春風亭柳好ら、色物の芸人も含めると60人以上の高座の表情が鮮やかに活写されている。おまけに楽屋でいなり寿司をつまむ十代目柳家小三治のオフショットなどもあって実に楽しい。

 サブタイトルにあるように“昭和五十年頃”に活躍していた落語家たちが主役だが、残念ながら、そのほとんどが鬼籍に入っている。自然と懐かしさがこみあげてきたが、2011年11月21日に75歳で逝った立川談志もそんな1人。

 ページをめくっていると、1枚のチラシが挟まっていた。談志の独演会の案内だ。

 「昭和60年2月5日(火)午後6時30分 釧路市公民館
  昭和60年2月6日(水)午後6時30分 帯広市民会館」

 さすが釧路の古書店に置いてあっただけある。ローカル色たっぷりで、思わずニンマリしてしまった。

 チラシの裏に
 「てめえの欲望に忠実に生きろ。そのためには、てめえを大事にしろ。てめえをてめえで好きで愛して惚れてやんなきゃ、駄目だぜ、おい。」
 という家元のコメントが載っている。

 真打昇進試験の結果に異を唱えて落語協会を脱会し、落語立川流を設立したのが1983年、つまり昭和58年。それから2年後の独演会。故郷を離れ、既に東京で記者稼業をスタートさせていた筆者だが、この会は見てみたかった。地方公演の開放感から出て来る本音もあったに違いない。とりわけ、マクラでどんな話を披露したのか興味がわく。

 ちなみに別な古書店にはかつてこんなチラシも置いてあったらしい。1979年11月17日の釧路市民文化会館(現コーチャンフォー釧路文化ホール)の落成記念で行われた落語名人会。小さん、志ん朝、談志が勢ぞろい。他にも柳家さん喬、古今亭志ん八(後に右朝に改名)の名前が見える豪華版。タイムスリップしたくなった。

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