小田和正 新曲「風を待って」に込めた思い

[ 2020年7月30日 12:20 ]

マスクをつけて曲作りする小田和正
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 【牧 元一の孤人焦点】シンガー・ソングライターの小田和正の新曲「風を待って」が24日から明治安田生命の企業イメージCMで流れている。

 小田の新曲は2018年5月発売のシングル「この道を/会いに行く/坂道を上って/小さな風景」以来、約2年ぶり。同社のCMに使われる曲としては、14年の「愛になる」以来、約6年ぶりとなる。

 流れているのは30秒バージョン。♪今は戻らないから 大切なんじゃなくて 今を重ねて 明日へ つながっていくから…と、小田が温かく優しい声で歌っている。これまで同社のCMで使われて来た「言葉にできない」「たしかなこと」「愛になる」と比べるとポップな感じで、より元気づけられる印象だ。

 小田は昨年、ツアーとその追加公演を開催。さらに3月にTBSの音楽特番「風のようにうたが流れていた」、12月には同局の恒例特番「クリスマスの約束」に出演。年間を通じて多忙だったため、新曲作りの時間を生み出すのが難しかった。

 明治安田生命に依頼されていた新曲に着手したのは昨年の暮れ。年が明けて曲の構想は固まったものの、歌詞作りを始めた頃、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、自宅待機を余儀なくされた。

 曲を完成させるまでに費やした時間はおよそ半年。もともと小田は締め切り間際まで曲作りをするタイプだが、今回はコロナ禍の影響で締め切りが設けられなかったため、結果的に、これまでの音楽活動の中で最も長い時間、曲と向かい合う形になった。

 完成した「風を待って」は、実は当初の構想より曲のテンポが早くなっている。今は多くの人たちがコロナ禍で厳しい生活を強いられている日々。関係者は「遅いテンポの曲だと、沈んだ気持ちにさせてしまうので、希望を持ってもらえるような表現に変えた」と明かす。

 小田自身も前向きになる。みんなにも希望を持ってもらいたい。それが、この曲に込めた思いのようだ。

 サビのコーラスも、聞いている人たちを励ますような雰囲気。名前は公表されないが、実は8人の有名アーティストが小田のボーカルの裏で歌っている。関係者によると、感染防止対策を徹底し、一人一人が個別にレコーディングを行ったという。

 フルバージョンのCD発売は未定。

 コンサートも待ち遠しい。一日も早く感染が収束し、この曲を生で聞ける機会が訪れることを切に願う。

 ◆牧 元一(まき・もとかず)1963年、東京生まれ。編集局デジタル編集部専門委員。芸能取材歴約30年。現在は主にテレビやラジオを担当。

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