バンクシー新作“怒りの炎” 黒人暴行死抗議デモ支持

[ 2020年6月8日 05:30 ]

 素性不明の路上芸術家バンクシーが6日、新作をインスタグラムで公表した。黒人の死を追悼する様子を描いており肖像の横に設置されたろうそくの火によって真上に飾られた米国旗が燃え始めている。この新作で、米国で起きた白人警官による黒人男性暴行死事件を巡る抗議デモへの支持を示した。

 バンクシーは当初、自身は沈黙しているべきだと思ったが「これは彼ら(黒人)の問題じゃない、私自身の問題だ」と強調。黒人以外の人々に、差別を自分の問題として受け止めるよう訴える意図とみられる。「欠陥だらけの制度」についてアパートでの水漏れ問題に例え、根源になっている部屋の住人の白人が対応しなければ「誰かが来て、ドアを蹴破るまでだ」と強調した。

 事件を受け、12日連続となる抗議デモが6日も全米各地で行われた。首都ワシントンでは事件発生以来で最大規模の1万人以上がデモに参加。当局は34州と首都ワシントンで計約4万3000人の州兵を動員し厳戒態勢を敷いた。

 抗議デモは欧州など世界各地に波及し、日本でも7日に大阪市でさまざまな国籍や人種の約1000人が「黒人の命を守れ」とデモ行進した。また、女子テニスの大坂なおみ(22)、芸人の渡辺直美(32)ら多くの有名人も抗議に賛同。人種差別や警察の残虐行為に抗議する「Blackout Tuesday(真っ暗な火曜日)」の活動としてインスタグラムなどに黒い無地の画面を投稿した。

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2020年6月8日のニュース