フジ「99人の壁」は「79人の壁」だった…最大20人超のサクラ判明、謝罪も番組は継続

[ 2020年4月4日 05:30 ]

MCを務める佐藤二朗
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 フジテレビが3日、クイズ番組「超逆境クイズバトル!!99人の壁」(土曜後7・00)で、参加者計100人を1対99に分けて対決させる際に人数が足りず、解答権のないエキストラを出演させ、本来の参加者に見せかけていたと発表した。「番組コンセプトを逸脱した不適切な手法。視聴者の信頼を損なった」として謝罪した。

 同番組には毎回、オーディションを経た一般視聴者や著名人ら100人が参加。「チャレンジャー」として選ばれた1人が、早押しクイズなどで99人と争う形式だった。これまでにない形式のクイズ番組として視聴者からの評価も高かった。

 3回の特番を経て2018年10月20日からレギュラー放送がスタート。特番時代の18年8月15日の放送と、レギュラー化されてから19年10月26日放送分までの26回で、解答権のないエキストラが使用された。平均で10人強の補てんがあり、多い時では二十数人に及んでいた。

 今年2月中旬、エキストラの一人が放送倫理・番組向上機構(BPO)に連絡し判明。局内での調査を経て“やらせ”の事実が判明し発表に至った。同局では13年に放送された「ほこ×たて」の「スナイパー軍団VSラジコン軍団」の企画で、“ねつ造”が判明し番組終了に至ったこともあった。

 同局はこの日、「今後、不測の事態で人数不足が生じた場合でも、その旨を明確にした上で放送することにいたしました」と説明。「視聴者の皆さまの信頼を損なう形となっていたことを真摯(しんし)に反省し、番組をご覧の皆さまおよびすべての出演者、関係各位の方々に心からおわび申し上げます」とした。

 番組は今後も継続する。最後の放送は3月7日で、今後の放送予定については未定。

 ▼「超逆境クイズバトル!!99人の壁」 “得意ジャンル”を持った1人が99人と戦うクイズ番組。老若男女が参加する。過去3回の特番を経てレギュラー番組に昇格。俳優の佐藤二朗(50)が自身初となる、レギュラーバラエティー番組でのMCを務めることでも話題となった。18年当時、入社3年目の若手ディレクターが社内コンペを勝ち抜いて番組が企画された。

 《最近の主なやらせ演出》
 ▼世界の果てまでイッテQ!(日本テレビ) 17年2月の「タイ・カリフラワー祭り」と18年5月の「ラオス・橋祭り」がともに、現地コーディネーターが主催者と協力して番組用に祭りを用意。実在しない祭りにもかかわらず、番組側が過去の開催実績などを調べずに放送した。

 ▼スーパーJチャンネル(テレビ朝日) 昨年3月、企画コーナー「業務用スーパーの意外な利用法」で、放送に登場した客4人が担当ディレクターの知人だった。ディレクターは俳優養成教室の講師もしていて、客4人のうち3人はこの教室の生徒。放送では4人とも初対面を装った。

 ▼消えた天才(TBS) 昨年8月、野球のリトルリーグ全国大会で全打者三振の完全試合を達成した当時12歳の少年の投球映像を早回しして、実際の投球よりも2割ほど速く見える加工。放送した31球のうち7球が加工映像だった。

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