石坂浩二 目を真っ赤に…「憧れの存在」だった八千草さん「間近に芝居できるだけで幸せ」

[ 2019年10月29日 05:30 ]

八千草薫さん死去

目に涙を浮かべ八千草さんの思い出を語った石坂浩二
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 八千草さんの最後の作品となったテレビ朝日「やすらぎの刻~道」で主演を務める俳優の石坂浩二(78)が28日、取材に応じ「もう一度、ぜひご一緒したかった…」と言葉を詰まらせた。

 石坂は終始、目を真っ赤にして思い出を語った。八千草さんとの最後の対面は「6、7月ごろ」。2月に同作降板を発表した八千草さんが「一度、撮影現場にお見えになられた」という。その時、脚本の倉本聰氏が急きょ八千草さんの出演シーンを書き足した。「本人もやりたいとおっしゃって、6シーンくらい撮影した」という。

 その時は元気で「僕も前にがんをやったし昔のようにすぐ死ぬということはない時代。(病気に)負けないと思っていたのですが…」と絞り出した。シリーズの前作「やすらぎの郷」でも共演したが「奥ゆかしい表現の中に光るものがあった」としのんだ。

 石坂にとっては「大学時代から憧れの存在」だった。初対面は1970年、八千草さんの夫、谷口千吉さんが監督した日本万国博公式記録映画を通じて。「ドキドキというか、憧れの人に会うと息ができなくなると知った」と振り返る。

 94年のTBS「女の言い分」では夫婦役。「僕は缶切りがうまいという設定だったんですが、練習してやって見せたとき“うまいじゃないの”って、凄く優しい目でおっしゃった。上品に笑ってらっしゃる顔が、やはり一番頭に残っている」と話した。

 かれんな娘役から理想のお母さん、そして日本のおばあちゃんと、やまとなでしこの一生をそのまま演じきった八千草さんだが「僕にとっては、お母さんではない。マドンナですよね」と強調。「本当に奇麗で、仕事に真っすぐに取り組んでらっしゃる。言葉数は少なく、でも気持ちは強い。間近に芝居できるだけで幸せだった」と話した。

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