八代弁護士 小4児童虐待死、母の猶予付き判決に「命の最後の防波堤はお母さんしか…判決は甘い」

[ 2019年6月27日 13:01 ]

八代英輝弁護士
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 弁護士の八代英輝氏(54)が27日、コメンテーターを務めるTBSの情報番組「ひるおび!」(月~金曜前10・25)に生出演。千葉県野田市立小4年の女子児童=当時(10)=が1月に自宅浴室で死亡した虐待事件で、父親(41)=傷害致死罪などで起訴=の暴行を制止しなかったとして、傷害ほう助罪に問われた母親(32)に千葉地裁が懲役2年6月、保護観察付き執行猶予5年(求刑懲役2年)の判決を言い渡したことに言及した。

 裁判長は判決理由で「実刑がふさわしいようにも思えた」としたが、保護観察付き執行猶予としたことについて「父親に逆らうことは難しかった」と説明。「救いの手を差し伸べられる唯一の存在だった」とも指摘した。

 この判決に八代氏は「裁判所もいろんな思いを持った上で非常に量刑に悩んだんだろうなっていうのが伝わってくるところがある」とし、その理由を「例えばもともと求刑2年だったのが、懲役2年6月になりましたよね。求刑より長い刑を科すというのは、裁判員裁判では珍しいことではなくなっているが、プロの裁判官がやる場合はめったにないこと。もう一つめったにないのは執行猶予つける時には、主刑の懲役の部分に刑を増すということは普通やらない。そこに裁判所の悩みがうかがわれる」と説明した。

 その上で「ちくはぐだなと思ったのはDVをご自身も受けて非常に精神的に追い詰められたと認定しながら、なぜ求刑以上の懲役2年6月、さらに執行猶予で保護観察。この人物に保護観察が必要かっていうことが、そもそも再犯の恐れがあるのかってところも不思議ですし、裁判所とすれば、ようするに保護観察付きの執行猶予がぎりぎりのところで、あなた本当は実刑なんですよっていうメッセージだと思う」と話した。そして「私はこの事案は実刑相当だとそもそも思います。やはりこの少女の命の最後の防波堤になれる人は、自分もDV被害を受けていたかもしれませんが、お母さんしかいなかったわけですから。私の感覚からするとこの裁判の判決は甘いのかなって思いました」と厳しい表情を見せた。

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2019年6月27日のニュース