妻希林さんに「鉄パイプでやられた」…内田裕也さん追悼本出版

[ 2019年6月8日 06:20 ]

13日に発売される「内田裕也 反骨の精神」の表紙
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 3月17日に79歳で亡くなったロック歌手の内田裕也さんの追悼本「内田裕也 反骨の精神」が13日に青志社から出版される。過去のインタビュー、対談など膨大な記録の中から貴重な証言を秘蔵写真付きでまとめた380ページの集大成版。昨年9月に先立った妻の樹木希林さん(享年75)との笑えて泣けるエピソードも満載だ。

 4月3日に都内で営まれた「ロックンロール葬」に弔辞を寄せた美術家の横尾忠則氏(82)が、この追悼本のために新たに加筆した文章が「まえがき」を飾る。加えて1986年に「平凡パンチ」紙上で行った作家中上健次氏や、画家で彫刻家の岡本太郎氏との対談も再録され、資料としても一級品だ。

 8章で構成され、波乱の人生が浮き彫りになる。「俺は最低な奴(やつ)さ」(白夜書房)や本紙コラム「我が道」を基に幻冬舎から文庫発売された「ありがとうございます」などから抽出したおいしいエキスが全編を彩る。

 生い立ち、音楽、生きざま…裕也さんが発したひと言ひと言がユニークで面白い。とりわけ、希林さんや家族についての発言は胸に染みてくる。

 「希林さんが“おもしろい方ですね。結婚しませんか”って言ったんです。で、“式場取ってきましたから”って」「希林さんはいまでもわからねぇ。気が強いし、かかってくるしなあ。俺、鉄パイプでやられたからね、バーン」

 別れそうで別れないまま、結局添い遂げた夫婦。5月5日に裕也さんの納骨式が営まれ、今は都内の墓で眠っている。

 ≪希林さんの追悼本は1位》希林さんの追悼本が売れている。オリコンによると「一切なりゆき」(文芸春秋)が今年上半期の本のベストセラーで1位を獲得。120万部を突破している。「樹木希林120の遺言」(宝島社)も5位にランクイン。6月9日の「ロックの日」に寄せて裕也さんの追悼本も何冊か出版が予定されており、注目される。

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