歌ネタ王制覇で話題「メンバー」の野望 野球もお笑いも広島が日本一!

[ 2018年10月29日 18:54 ]

今年の歌ネタ王の優勝コンビ「メンバー」。俺の顔を見ろ〜と歌うネタのポーズを披露するボケ役の山口提樹(左)と相方でツッコミ役のの潮圭太
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 カープの34年ぶり日本一がかかった日本シリーズが開幕した。先勝して広島の街が一番熱く燃えているだろう。気は早いが、ネット上で“広島”“日本一”と縁起のいい組み合わせで検索。するとプロ野球の話題に紛れヒットするのが、先日までほぼ無名だった漫才コンビの「メンバー」だ。

 9月に行われた、大阪・MBSが主催する音楽と笑いの融合した賞レース「歌ネタ王決定戦」決勝。ラップ調のBGMに合わせ、ボケ役・山口提樹(31)が、♪俺の顔を見ろ〜と歌う秀逸なリズムネタで優勝。広島よしもと所属の無名コンビがどぶろっく、ミキら有名どころを抑えての優勝は報道陣を驚かせた。

 小学生時代からの幼なじみコンビ。ともに島根県益田市出身で、山口は野球はど素人だが、相方・潮圭太(31)は高校時代、野球部主将でエースだった。「最後の夏の県大会は1回戦コールド負けでしたけどね」と笑いながら、白球に懸けた青春時代を懐かしむ。

 活動拠点が広島だけに仕事上ではカープの恩恵にあずかっている。潮は事務所の先輩カープ芸人から「顔が会沢捕手そっくり」といじられているそうだが、このほど地元民放のCS前特番に2人で出演。“運がある”として神社でおみくじを引く役を任され、ともに小凶だったが「テレビ的には、おいしい役だったはず」と笑わせた。

 ただ、歌ネタ王制覇で階段を一つ上ったとはいえ、広島での知名度アップは「ほとんどない」(山口)のが実情。関西地区では生放送されたのに対し、広島地区では後日の深夜帯だった。

 劇場ライブで試合の途中経過を伝えると「観客のテンションが上がって、すごく盛り上がる」(山口)こともあり、普段からカープへの感謝は尽きない。一方で、選手らの話題には申し訳なさそうにし、急に口が重くなる。それでも、色紙に意気込みの一筆をとお願いすると「プロ野球もお笑いも 広島が日本一!!」と力強くしたためてくれた。

 今はまだまだでも、いつの日か一緒に広島を盛り上げられるような存在に成長できれば――。そんな気概が、2人の心の奥底にあるような気がした。

 ★メンバー 山口提樹(やまぐち・だいじゅ)、潮圭太(うしお・けいた)の2人組。山口は1987年(昭62)5月3日生まれ、潮は87年6月16日生まれ。高校卒業後の2006年、NSC(吉本総合芸能学院)大阪校29期にそろって入学。同期に吉田たち、コマンダンテら。受賞歴は今宮戎神社こどもえびすマンザイ新人コンクールの新人漫才奨励賞。

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