お茶の間に広まったDA PUMPブーム 仕掛け人は困惑「なんで“ダサい”か分からない」

[ 2018年10月23日 10:00 ]

大ヒットするDA PUMPの新曲「U.S.A.」
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 【DA PUMPの逆襲(2)】ミュージックビデオの再生回数が9700万回を突破し、1億回を目前にしているDA PUMPの「U.S.A.」。ボーカルのISSA(39)は「この歌が売れると思っていたのは社長しかいなかった」と振り返る。「社長」とは、同曲をプロデュースした所属事務所「ライジングプロ」の平哲夫社長(72)。その仕掛け人に話を聞いた。

 「僕は自信がないものは出しませんよ。“ダサかっこいい”と話題になりましたけど、いまだになんで“ダサい”と言われるのか分かりません(笑い)」

 プロデュースのきっかけは、同事務所の荻野目洋子(49)の「ダンシング・ヒーロー」(85年)のリバイバルヒット。昨年、大阪府立登美丘高校ダンス部が同曲に合わせた「バブリーダンス」が話題になった。平氏が目を付けたのは、ユーロビートナンバーが若い世代に受けるということだった。

 「ラップではなくソングに合うメロディーを探している中で、33年前の曲が若い人に受けるんだという発見があった。ユーロビートは哀愁のあるマイナーポップで、もともと日本人好み。世代が変わってもポピュラーソングは愛されるんです」

 90年代のユーロビートナンバーを40曲ほど聴き、ジョー・イエローという外国人歌手が歌った92年の「USA」(作曲アカティーノ・クラウディオら)を選んだ。そこに作詞家のShungo.(シュンゴ)氏がクスッと笑える歌詞を乗せた。そして平氏が最大のヒットの要因と分析するのは、ISSAの歌声だ。

 「ISSAの声じゃなかったら、ここまで売れなかったと思います。昨年6月のデビュー20周年ライブで歌声を聴いて“最高の状態だ”と確信しました。これでメロディーと歌詞、歌がそろいました」

 狙い通りのヒットとなったが、想定外の反響もあった。「SUUMO」のCMでもおなじみの「いいね」ダンスだ。「振り付けは彼らに任せたのですが、ウケを狙いすぎなんじゃないかと思いました。でもあの踊りがあって子供たちにも受けました」。ダンスが火付け役となってお茶の間まで広まったことで、今もなお話題になっている。

 「これだけで終わるつもりはありませんよ」。次の歌はカバーではなくオリジナルで、来年2月に発表予定とも明かした。2作連続でヒットさせ、真の再ブレークを狙う。 (飯尾 史彦)

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2018年10月23日のニュース