吉永小百合、希林さんゆかりの地で朗読 涙こらえ「まだそのへんで見ているかも」

[ 2018年9月22日 06:45 ]

朗読コンサートを開催した吉永小百合(右)とギタリストの村治佳織
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 女優の吉永小百合(73)とギタリストの村治佳織(40)が21日、長野県上田市のホールで「『無言館』よ、いつまでも」と題したチャリティー朗読コンサートを開催した。

 フリーアナウンサーの宮本隆治(67)の進行で始まったコンサート。吉永は朗読の合間に「私の大切な人が…」と切り出し、15日に永眠した女優の樹木希林さん(享年75)が2年前に無言館を訪れていたことを約1600人の観客に紹介。「まだそのへんで見ているかもしれないから、私も頑張ってしっかりやろうと思います」と込み上げるものをこらえながら、原爆詩など8編を読み上げた。

 1997年に上田市古安曽に開館した無言館は、太平洋戦争に出征し、志半ばにして戦場で散った画学生たちの絵やイーゼル(画架)などの愛用品約700点を収蔵し慰霊展示。終戦から73年が経過し、遺族らの高齢化もあって、年間10万人を超えていた入場者数が3万8000人まで減少。財政的には苦しい運営が続いており、そんな実情を知った吉永が村治らに呼び掛けて実現したコンサートだ。

 同館では画学生の絵を前に新成人が誓いを新たにする「成人式」を毎年開催。16年は4月29日に行われ、ゲストとして出席したのが希林さん。前年にぶらりと訪れた希林さんに窪島誠一郎館長(76)が依頼して実現したもので、30人ほどの新成人一人一人に便せん3枚ずつの直筆の手紙を手渡したという。

 NHKドラマ「夢千代日記」シリーズなどで共演し、公私にわたって親交があった吉永は「(希林さんが)訪れていたことは私も亡くなってから知りました。(コンサートのタイミングと重なったのも)偶然です。つらいですね。お体もそんなに良くないのに凄い人だなと思います。ずっとずっと無言館を希林さんのためにも続けましょう!」と観客に呼び掛けた。

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