藤井聡太七段 因縁の相手・佐々木六段下し「AbemaTVトーナメント」初代王者に

[ 2018年9月9日 22:30 ]

AbemaTV主催の将棋の非公式戦トーナメント決勝で対戦する藤井聡太七段(左)と佐々木勇気六段
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 将棋の高校生棋士、藤井聡太七段(16)が9日に「AbemaTV」で放送された早指しの非公式戦「第1回AbemaTVトーナメント inspired by 羽生善治」の決勝3番勝負で佐々木勇気六段(24)を2勝1敗で破り、初代王者に輝いた。

 藤井にとって佐々木は、昨年7月に公式戦新記録の29連勝を果たした次の対局で、プロ初黒星を喫した相手。それから約1年が経った現在は藤井が段位で佐々木を追い抜いており、佐々木としても意地でも負けられない因縁の対決だった。

 藤井は角換わりとなった第1局で佐々木を追い詰めながらも秒読みに追われ、一瞬の隙を突かれて逆転負け。いきなり崖っぷちに追い込まれたが、第2局は前例の少ない力戦型から一方的に攻め立てて完勝。優勝が決まる最終第3局はがっぷり四つの駒組みの末、残り時間でリードした藤井が攻撃を続け、粘る佐々木を押し切って投了に追い込んだ。

 非公式戦ながらも、佐々木と1年ぶりの対局で見事に雪辱を果たした藤井。大会を振り返り「本当に強敵ばかりのトーナメントでしたが、こうして優勝という結果を残すことができてとても自信になりましたし、本当にいろいろな収穫があったと思います」と喜んだ。さらに「やはり持ち時間が短いと、複数の候補手をじっくり比較することはできない。なるべく方針を決めて、候補手を絞って考えることが大事なのかなと感じました」と、自身で身につけた勝負術を披露した。

 棋士14人が出場した同棋戦は、羽生善治竜王(47)がルールを発案。持ち時間各5分で、1手指すごとに5秒が加算される「フィッシャールール」と呼ばれるもので、公式戦にないスピード感が特色だった。この超早指し戦でも勝ち方を自ら模索し結果を残した藤井が、また新たな境地を開拓した。

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