“面白くない枠”から一転 視聴者支持の作品が続くフジ「木曜劇場」

[ 2018年7月10日 06:13 ]

ドラマ「グッド・ドクター」舞台あいさつに出席した(左から)上野樹里、山崎賢人、藤木直人
Photo By スポニチ

 “ドラマの枠”という視点で近年“豊作”が続いているのがTBSの日曜劇場(毎週日曜午後9時)。池井戸潤原作の2013年「半沢直樹」が大ヒットしたのをきっかけに、日曜劇場×池井戸潤のタッグは「ルーズヴェルト・ゲーム」(14年)、「下町ロケット」(15年)、「陸王」(17年)といずれも大ヒットした。

 「天皇の料理番」(15年)や、前期の「ブラックペアン」、「99・9−刑事専門弁護士−」シリーズなど、ヒット作が途切れることのなく“常に面白いドラマを放送する枠”として定着している。

 同じくTBSの火曜10時に放送される「火曜ドラマ」も最近注目のドラマ枠。きっかけは新垣結衣主演で社会現象を巻き起こした「逃げるは恥だが役に立つ」(16年)。それ以降「カルテット」や「あなたのことはそれほど」、「監獄のお姫さま」(いずれも17年)など、全く違うテイストの意欲作を送り出し、そのどれもが注目を多く集めている。

 一方で高満足度の作品が続いているのがフジテレビの木曜10時枠「木曜劇場」だ。「木曜劇場」といえば「電車男」(05年)や、「BOSS」(09年、11年)、「昼顔」(14年)など、ヒット作を多く生み出していた同局の伝統的なドラマ枠だ。しかし、一時はありがたくないレッテルも張られていた時期があった。

 テレビ視聴の動向を調べるデータニュース社(東京)の「テレビウォッチャー」(対象2400人)の満足度調査によると、16年4月期「早子先生、結婚するって本当ですか?」がクールワースト2位の3・33(5段階評価、3・7以上が高満足度のライン)、17年1月期「嫌われる勇気」もワースト2位の3・33、17年7月期「セシルのもくろみ」が最下位の3・09と、最近の作品でなかなか高満足度のラインを超える作品が出ず、“面白くない枠”となりつつあった。

 しかし、昨年10月期の「刑事ゆがみ」がクール4位の3・85と高満足度を記録すると、今年1月期の「隣の家族は青く見える」がクール3位の3・85、前期の「モンテ・クリスト伯」がクール2位の3・84と、3クール連続で高満足度を獲得する作品を送り出し、ようやく“良い作品が放送される枠”として定着し良い流れができてきた。

 この枠で7月期から放送されるのは山崎賢人主演の「グッド・ドクター」(7月12日スタート)。サヴァン症候群の青年医師が主人公の“医療もの”で、「木曜劇場」の医療ものといえば、「白い巨塔」(03年)、「Dr.コトー診療所」(03年、06年)、「医龍」(06年、07年、10年、14年)と、ハズレがない。今作も視聴者を満足させる作品になることができるか?期待がかかる。

続きを表示

2018年7月9日のニュース