クロちゃんから暴言…反省する医師団「なんとか救いたい」 入院は「進歩」

[ 2018年3月19日 11:00 ]

「名医のTHE太鼓判!」に出演する(左から)森田豊、丸田佳奈、大竹真一郎医師(C)TBS
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 TBS医療バラエティー番組「名医のTHE太鼓判!」(月曜後7・00)で2型糖尿病であることが判明したほか、血糖値は即入院レベルと診断されたお笑いトリオ「安田大サーカス」のクロちゃん(41)が、12日から16日までの5日間、専門医に食事や運動療法を指導される「教育入院」を行った。番組では19日放送の3時間SPで入院に至る経緯が明かされる。今回は番組にレギュラー出演する医師の森田豊氏(54)、大竹真一郎氏(49)、丸田佳奈氏(36)にクロちゃんについて話を聞いた。

 ◆「水曜日のダウンタウン」で医師団に暴言…クロちゃんは炎上状態に

 1月29日放送回でクロちゃんの体が危険な状態であることが明らかに。過去にも番組で生活改善を助言していたのにもかかわらず、クロちゃんが暴飲暴食を続けていたことを受け、丸田氏は涙ながらにクロちゃんの健康状態を心配。森田氏は番組以外でも、SNSなどを通じてクロちゃんに注意喚起し、生活改善の必要性を必死に訴えた。

 ところが事態は急転。2月28日放送の同局「水曜日のダウンタウン」(水曜後10・00)で、クロちゃんは「あいつら、マジでうるさいから」などと医師団に対して暴言を吐き、丸田氏に対しては「泣きマネする女もいるから」と言い放ち、炎上状態に。森田氏は自身のツイッターで「悲しくて涙がでました」と率直な心境を吐露していた。

 ◆クロちゃんの暴走に自責の念 北風と太陽…治療実現へさまざまな工夫

 森田氏は「最初は暴言だと思いました。でも、5分ぐらいしてからよく考えてみると、僕らの説明も足りなかったのではないかと感じました」と当時を振り返る。続けて「患者さんにエラーが生じたときは、こちらの説明が足りないんだと教えられてきたので、自分に対して非常に残念に思っています」と反省を口に。“泣きマネする女”呼ばわりされた丸田氏も「クロちゃんとコミュニケーションがうまく取れていなかったのだと思います」と自責の念をにじませた。

 大竹氏は「逆に本音が聞けてよかった」とし、「強めに注意したほうが心に響く人もいれば、それが心の負担になってしまう人もいます。追い込んだからこそ、ああいうコメントが出てしまったのでは」と分析。「森田先生が(厳しく注意する)北風なら僕は太陽。3人でワーッと言ってもよくないので、僕は『わかるよ、わかるよ』というスタンスで接しています」と明かし、森田氏も「あまり厳しく言うと、逆に患者さんが医者から離れていってしまう場合もあるので、セカンドオピニオンではないですけど、そこは役割分担をして、皆で協力して医師団として行動しないといけないと思います」と同調した。

 ◆突然死の可能性も…教育入院は「大きな進歩」

 クロちゃんは12日から5日間の教育入院を敢行。現在の健康状態について、大竹氏は「食後も200を超えないというのが1つの基準である血糖値が300を超えていました。これが風邪などをきっかけに一気に1000ぐらいまで急上昇してしまう。そうなると意識障害、昏睡状態となって最悪の場合、死んでしまう可能性もあります。突然死の原因にもなりかねません」と危機感をにじませる。それでも「入院するという気持ちになっていただいた、ということだけで大きな進歩です」と前を向いた。

 研修医時代に糖尿病の合併症で自暴自棄となった患者を目の当たりにしている丸田氏は「クロちゃんの考え方が変わるきっかけになってほしい。そのチャンスをクロちゃん側が与えてくれたということに、こちらとしてもありがたいと感じています。なんとか救いたい」と真剣な表情。「(糖尿病の治療に)医学的なガイドラインはありますが、精神的な部分は1人1人の患者さんに対してオーダーメイドだと思います。クロちゃんに理解していただいて健康になってもらえれば、私たちの自信にもなる」と言葉に力を込めた。

 森田氏は「一番うれしいことは、しっかり治してもらうこと。クロちゃんの検査の結果がこれだけよくなりました、となったら本人だけでなく、もっともっと同じ病気の大勢の人が救われるんじゃないか」と芸能人ならではの啓蒙効果も期待する。クロちゃんは入院を終え、「もう嘘はつかない」と生活改善へ強い意志を見せているが、「問題はクロちゃんに継続性があるかどうか。検査結果は嘘をつかないから、主治医の先生にだけは嘘をつかないようにしてほしい。愛があるからしつこいんですよ」と真摯に病気と向き合うことを要望した。

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