氷川きよし“有終”有線大賞「これからも演歌を歌っていく」

[ 2017年12月5日 05:30 ]

9回目の日本有線大賞を受賞した氷川きよし(中央)は総合司会の梅沢富美男(同右)、吉田羊(同左)らに囲まれ笑顔を見せる
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 TBSが1978年の第11回から生中継してきた「日本有線大賞」が4日、第50回の節目で終了した。最後の大賞受賞者は、演歌歌手氷川きよし(40)。自身の持つ最多記録を更新する9回目の大賞で、「信じられません。自分じゃないと思っていたのでびっくりしました。40歳になったので、これからも演歌をしっかり歌っていきます」と喜びを語った。

 有終の美を飾るべく豪華な面々が集まった。過去の大賞受賞者は12組が登場。細川たかし(67)は「北酒場」、倖田來未(35)は「愛のうた」を歌唱して花を添えた。有線のリクエストを基に選出される賞で、氷川は「デビュー以来出させていただいてきたので、有線大賞は自分の人生のよう。励みになっていた」と少し寂しそうだった。

 TBSは放送終了について「一定の役目を果たした」と説明。音楽の聴き方の多様化で、有線をきっかけとしたヒット曲が生まれにくくなった。その影響からか視聴率も低下した。昨年は平均で9・1%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)と2桁に届かなかった。賞を主催する全国有線音楽放送協会は新たな企画を運営していくとしているが、事実上は有線大賞は終了となる。

 一方で「音楽賞をやめてJ―POPの音楽特番へ転換する局が多い中、TBSはよく続けてきた」と話すテレビ関係者もいる。音楽賞から距離を置く歌手が増え、90年頃に民放各局の賞レース番組は相次いで終了。その中で、TBSは有線大賞と日本レコード大賞の放送を維持してきた。

 有線大賞の終了で打撃を受けるのは演歌、歌謡曲歌手。民放のゴールデン帯の番組で歌う機会が減る。ある演歌系のレコード会社の宣伝マンは「ポップス歌手の間で歌うことで名前や曲が知られることもあったので残念。当たり前にあった番組がなくなるのは寂しい」と話した。

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2017年12月5日のニュース