はしだのりひこさん通夜に400人 亡くなる約10日前の病床での奇跡

[ 2017年12月5日 21:21 ]

ヒット曲「風」の文字が入ったはしだのりひこさんの祭壇
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 パーキンソン病のため2日に死去した「ザ・フォーク・クルセダーズ」の元メンバーで歌手、はしだのりひこ(本名端田宜彦=はしだ・のりひこ)さん(享年72)の通夜が5日、京都市伏見区の「セレマ稲荷シティホール」で営まれ、約400人が参列した。

 はしださんが64年に初めて組んだバンド「ドゥーディ・ランブラーズ」の元メンバー、田平義昭氏(73)と藤原洪太さん(72)は、はしださんが亡くなる約10日前に病室を見舞ったという。藤原さんが持参したギターではしださんの楽曲「祇園の鳥居」を田平さんと歌うと、はしださんは「ちょっと貸して」とギターを要望。「病床でギターを持って右手を動かし、左手はコードを押さえた。筋力が弱る中、あり得ない事が起きたと看護師も驚いていた」と2人は振り返った。

 はしださんのドゥーディ・ランブラーズ愛は深く、今年4月のKBS京都主催のフォークイベントにも「ドゥーディが出るなら」と、車いすで出演した。藤原さんは「3年くらい前から声はほとんど出ていなかった」というが、このイベントでは、はしださんが歌声を響かせた。「奇跡が起きた。最後の力を振り絞ったんだと思う」と目を潤ませた。

 来年4月には、はしださんの代役を立ててドゥーディ・ランブラーズの再集結ライブを予定していたという。藤原さんは、「はしだには、その日まで生きててくれよという話をしていたのに」と肩を落とした。田平さんも「とっつきにくいが、芯は優しいやつでした」と惜しんだ。

 はしださんは約20年前からパーキンソン病を発症。ことし5月に白血病を併発するも、「わしは戦う」と抗がん剤治療を行った。約10日前から意識混濁状態が続いていた。

 葬儀場には「はしだのりひことシューベルツ」のヒット曲名「風」と書かれた祭壇の傍らには愛用のギターが飾られた。告別式はきょう6日、同所で開かれる。

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