漫画「浮浪雲」44年の歴史に幕 9・20発売号で全1039話

[ 2017年8月22日 05:30 ]

ジョージ秋山氏の「浮浪雲」単行本110巻の表紙
Photo By 共同

 小学館は21日、ジョージ秋山氏(74)が同社の漫画誌「ビッグコミックオリジナル」で1973年から連載の「浮浪(はぐれ)雲」が、9月20日発売号で終了すると明らかにした。全1039話、44年の歴史に幕が下りる。

 編集部は「秋山氏が数年前から“そろそろかな”と話し、タイミングを探していた。以前“浮浪雲が終わる時が、私の漫画家人生の終わる時”と話していたが、今後のことは分からない。体調問題はない」と説明。今月19日発売号の1037話で、登場人物が「どんな物でもいつか終わる」などと終了を示唆するせりふを連発、最終ページで「あと2話」と告知していた。

 「浮浪雲」は、幕末の東海道・品川宿で問屋を営む浮浪雲を描いた時代劇漫画。79年に第24回小学館漫画賞を受賞。ドラマ化、アニメ映画化もされた。単行本は現在計110巻刊行。112巻まで続刊の予定。

 ≪「ゴルゴ13」は来年50周年≫昨年は週刊少年ジャンプの「こち亀」が40年で完結し話題になったが、成年漫画には来年50周年の「ゴルゴ13」(ビッグコミック)など40年を超える作品が複数ある。中でも「浮浪雲」のビッグコミックオリジナルは「赤兵衛」が今年で45年、「三丁目の夕日」が43年。「釣りバカ日誌」はあと2年で40年だ。成年漫画は月刊や隔週を中心に発展し、早くに1話完結に近い形の“長期連載の公式”が成立。一方の少年漫画は作家の負担が大きい週刊、物語作りが難しいストーリー漫画が中心。90年代までは10年続く作品も珍しかった。近年はストーリー漫画を長く続けるノウハウも確立されている。

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