水難事故多い今年の夏、事前に“危険要素”排除して楽しみたい

[ 2017年8月21日 09:30 ]

 猛暑日が続いた今年の夏。家族とともに千葉県内の海水浴場に出掛けたが、冷や汗を流すことがあった。泳いでいたところ、いきなり右足のふくらはぎがけいれん。海水を飲んだものの、何とか手だけで泳いで浅瀬に戻り、事なきを得たことがあった。そのことを現場のライフセーバーの男性に話したところ「今年は、水難事故が多いから気をつけて」の言葉が返ってきた。

 調べてみると、今年7〜8月の水難事故は前年より37件増えて614件(警察庁まとめ)。水難者も62人増の735人で、死者・行方不明者は37人増の304人だった。都道府県別の発生件数では千葉県の35件が最多。死者・行方不明者の発生状況では、場所は海が53・3%(162人)を占めていた。

 海水浴場ではライフセーバーが常駐しているが、油断は禁物だ。どんなことに注意すればいいのか。ライフセーバーによると、高波や巻き波、離岸流など、気をつけるべきポイントも多いという。

 最も注意すべきは、岸から沖へ向かう強く速い流れの離岸流。これに流されると水泳の熟練者でも逆らって泳ぐのは非常に困難で「流された時には岸と平行に泳いで、離岸流の発生している場所から抜け出すようにしてもらいたい」とのアドバイスをもらった。

 また、現場の危険個所についてはライフセーバーが把握しているといい「まず、海に入る前にしっかり準備体操し、危ない場所を自分たちに聞いてから海水浴を楽しんでもらいたい」と話してくれた。

 プールでの注意点も聞いてみた。強い流れのある排水口に吸い寄せられて、溺れるケースがあるといい、プールによっては、すり鉢状に深くなるところもあるので「事前に危険な場所をチェックして」とのことだった。

 まだ、暑い日もあり、海やプールに行く機会もあると思う。「大丈夫だろう」ではなく、しっかりと“危険要素”を排除した上で、楽しみたいと思う。(記者コラム)

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