野際さん 時代先取りした人生…私生活では家庭的 “普通”の感覚も忘れず

[ 2017年6月16日 11:10 ]

野際陽子さん死去

野際陽子さん
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 【野際さんの人柄】時代を先取りした人生だった。1957年にNHKの採用試験を受けた理由は「大卒女子を採ってくれるところが他にあまりなかった」から。受験者約3200人の難関を突破した11人のうち女性は2人だけ。その後に女優へ転身するも約200万円の留学資金をためると、未練も残さず憧れのパリへ留学した。77年にはキューバのカストロ首相に日本人として初めて単独取材した。

 華々しい芸能界の一線で活躍したが、いつも自分のことを「普通」と言っていた。私生活では家庭的な人だった。結婚前に千葉が事故で入院すると、つきっきりで看病。千葉が仲間を連れて野際のマンションに来ると、手料理を振る舞った。

 世間的には「ミニスカの第一人者」というイメージとは反対に、結婚してからは家で「動きやすいから」とトレーナーの上下やジーンズで過ごすことが多かった。長女の樹里を産んで1カ月で仕事復帰し「キャリアウーマン」としても注目を浴びた。その陰では、樹里が小学生の頃は学校行事に欠かさず出席。「万が一、娘が食うのに困らないように」。東京・六本木でバーを始めたのはそんな思いからだった。

 時代の先端を走りながら、市井の人と同じ感覚を持ち続けたこと。野際さんの演技が共感された背景にはこうした生き方があったのかもしれない。

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