東京五輪サーフィン会場で思う…大会成功へ「県民ファースト」も考えて

[ 2017年1月4日 10:30 ]

 年始に2020年東京五輪のサーフィン競技の会場に決まった千葉県一宮町を訪れた。会場となる釣ケ崎海岸では、サーファーたちが早速、波の“初乗り”を楽しんでいた。地元出身で、都内から帰省していた30代の男性は「なんか五輪会場に決まってうれしくて、久しぶりに実家にあったボードを持ち出したんです。ぜひ盛り上がってほしい」と声を弾ませた。

 男性によると、釣ケ崎海岸を練習の拠点にしている選手は増加している。仙台市や埼玉県から、引っ越してきた選手もおり、朝と夕を中心で練習。一昨年から昨年にかけて急成長し、全国大会や世界大会で活躍している選手もいるというから“本番”に出場する選手も出てくるかもしれない。

 一宮町だけでなく、周辺の自治体は、経済効果も期待している。隣接するいすみ市の土産店の女性従業員は「五輪に向けて、店のみんなで英語の勉強を始めようと思っている」。館山市の旅館の女性従業員は「外国人向けの食事メニューにも着手しています」と教えてくれた。

 幼い頃、毎夏、家族で一宮町を訪れ、海水浴やカレイ釣りを楽しんだ記者も「この町での五輪も成功してくれれば」と願ったが、会場や交通インフラ、宿泊施設などの整備や財政負担の問題が頭をよぎった。

 昨年12月、国際オリンピック委員会(IOC)理事会が大会組織委員会の一宮町とする会場案を承認。千葉県の森田健作知事は「外房、九十九里を何とか盛り上げたいと思っていた。地元のみなさんの熱意が伝わった」とした上で「五輪が終わったら“さよなら”では困る」と指摘。五輪後を見据えたサーフィン関連の恒久的な施設の整備に意欲を示したのだ。

 しかし、森田知事は「財政的にもできることとできないことがある」とも述べた。一宮町の当初予算は約42億円で、同町の馬淵昌也町長も「今後、県や国、組織委員会としっかり協議していきたい」としつつ「もし町に多大な財政負担をしろと言われても、ない袖は振れません」としていた。

 今後は開催費用の分担を巡り、県や町などの地元自治体と、大会組織委員会や都などとの駆け引きが本格化する。「アスリートファースト」「都民ファースト」という言葉が盛んに飛び交っているが、「県民」「町民」のことも、しっかりと考慮し、ぜひ大会を成功に導いてほしい。

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