木俣冬氏「真田丸」三谷脚本分析 根底に喜劇 意表を突く意味 全員への愛

[ 2016年12月12日 10:00 ]

真田丸特別連載(1)「魅力」最終回まであと6日

大河ドラマ「真田丸」で、佐助(藤井隆)はきり(長澤まさみ)にプロポーズしたものの“超高速失恋”(C)NHK
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 インターネットや普段は時代劇を見ない若年層も巻き込み、お茶の間を1年間魅了してきたNHK大河ドラマ「真田丸」(日曜後8・00)は18日、最終回を迎える。スポニチアネックスは12日から「真田丸」特集を連載する。第1回は、1年間話題を振りまき続けてきた脚本の魅力を、数々のドラマのノベライズでも知られるドラマ評論家の木俣冬さんに聞いた。

 三谷幸喜氏(55)が手掛けた脚本の、一番の魅力として挙げられるのは「喜劇が根底にあるというところ」だと言う。悲観的になってしまいそうなシチュエーションでも、どこかクスリとさせてくれるシーンが盛り込まれている。

 「敗者の物語だから、シリアスなところはいっぱいあるんですが、そこにも必ず笑いが入ってくる。ここまで笑いを意識して作った大河は少ないんじゃないでしょうか。政治と戦に関しても喜劇を入れていくというところは面白いなと。非常に門戸が広い、いろいろな人が見て楽しめるようになっていたんじゃないかと思います」

 真田家が直接関わっていない本能寺の変や関ケ原の戦いを数十秒で済ませる、「幸村」の名前はくじ引きで決める、最強の出城「真田丸」を完成させた第44話はオープニングを最後に持ってくる、など意表を突く仕掛けを次々と繰り出してきた。

 「真田昌幸が意表を突く人だったので、元々の設定と物語が見事に合っていましたね。真田一家の精神みたいなものを描くためにもそれをやっている気がして。意表を突いている意味がちゃんとあったのだと思います」

 武田勝頼(平岳大)、春日信達(前川泰之)、たか(岸井ゆきの)ら枚挙にいとまがないが、登場シーンがさして長くない脇役もただの脇役に終わらせず、1人1人を丁寧に描いたことも“三谷流”だという。

 「劇団をやられてきた作家の方は、劇団員全員にちゃんとおいしいところを作るんですね。テレビドラマでも、全員がどこかいいところが出るようにという心遣い、愛情が出ていると感じますね」

 出浦昌相(寺島進)のように、誰もが知っているような歴史上の人物ではなく、有名武将の陰に隠れがちな人物にもスポットを当てたことも注目に値する。

 「(日本テレビの)『地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子』で校閲という目立たない人たちの功績、実は表に名前は出てこないけれど、こんな仕事をしている人がいるんだよというのを描いていますよね。『真田丸』にも同じような部分があるのかなと思います。見ている人たちが自分を重ね合わせられるような」

 豊臣方が圧倒的に不利な状況の中、大坂夏の陣で獅子奮迅の活躍を見せ、徳川家康(内野聖陽)を追い詰めるも――というのがよく知られた幸村の最後の活躍の場。三谷氏はその戦いぶりをどう描き、物語をどう着地させてくれるのだろうか。

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